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何これ…《1》
体を起こそうとして力を入れると、さっきよりも服が擦れてしまう。
「……んぁっ……ぅん………」
初瑪がなかなか起き上がれない俺を手伝おうと腕を掴むと、体にビリッと何かが走って熱をまとった。
「…ひゃっ……あっ、んぁ…!」
そのまま一気に立ち上がるが、すぐに力が抜けてベットに寝転んでしまう。
もう何…なんだよ。
何で……こんなに、体アツいの。
「…うぅ…初瑪ぇ……助けて…」
もう俺には耐えられなくて、初瑪に訴えることしか出来ない。
「りぃ、ちょっと我慢しろ」
そう言うと俺の片方の腕を引き、腰を支え、ぺたんとお尻をつけるような体制で座らせられた。たったそれだけの事で俺にはアツくて声が出る。
「……んっ!……は、ぅ、あ……んっ…ぁ」
もう何で。何これ。
何でこんなアツいの……!!
「…も、ゃ……何で…な、のぉ…」
「りぃ、楽になるならひとつしかないがどうする?やるか?」
「何…を?どー、すれば…んっ…いい、の?」
「イけば治る」
「い、く?……え、イく?…ぁ…ってこと?」
初瑪はこくりと頷く。
「だから、どうする?自分でヌけるか?…無理ならヌいてやるが」
「…い、いっ!…じ、ぶんで…やるからっ…!」
頭が上手く回らない。でも………………イくってそういう事だし、ヌくってこともそういう事だろう。頭が上手く回らなくても羞恥心が勝ち、なんとか初瑪から逃れる。初瑪は俺がそう答えたのにも関わらずベットの上から退こうとしない。
「…早く…で、てって…やれない」
「構わずやればいいだろう」
「……ば、かっ!…んっ……む、りに、決まってん…だろ…っ!」
「後ろ向いててやるからそれでいいだろう。そこにいるから」
初瑪はベットから降りて、ベットを背もたれにして後ろを向いた。
いくら見えないからっていっても、そう簡単に出来ることではない。自分で自分をヌくということは人に見せることではない。人がいる所でやるなんて以ての外だ。普通は…でも、今の俺は早くこの熱を鎮めたくて、楽になりたくて、ただ得体の知れないツラさから開放されたいことばかりしか浮かばない。
だから
初瑪がこっちを向いていないことを確認して、恐る恐る自分自身に手を近づけた。
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