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助けてやるよ《1》
「助けてやるよ」
そう初瑪は言ってベッドに上がってきたので、慌てて唯一来ていたTシャツの裾を引っ張って下を隠した。Tシャツの裾が少し長めでよかった……けど、こんなんじゃ隠しても意味がない。早く鎮まれよ俺のオレ!
「りぃ、どれくらいキツイか?」
「どれ…くらい、って……普通、に…しんどい」
体の奥底からふつふつと、願ってもない性欲が溢れだしてくるって感じ。
とにかく体がアツいし、俺のオレがやばい。
「…ふっ、そうか」
初瑪はベッドに上がるのをやめ、何故か部屋を出ていった。
え、何?放置?まさかの放置っすか?
そんなことはなかったらしく、初瑪はすぐに戻って来て、ベッドに上がり、俺の前に腰を下ろした。明らかに手に怪しいものを持って 。
「初瑪…何、それ」
「見てわからないのか」
「見て…わからないから、聞いて、んだろ!」
「ローション、ネクタイ、バスタオル」
「単語…だけ、並べんな、よ!何に…使うんだよ」
こっちはシーツに肌が擦れるだけでヤバいんだよ。
「りぃは媚薬飲んだからな」
「は??」
媚薬って媚薬?え、あの媚薬?
飲むとヤりたくなるあのお薬?
まぁ、媚薬って言われれば今の俺の状態がものすごく納得できる、けど。
「いつ、飲んだ…んだよ」
「まぁ、それは後ででも大丈夫だろ」
「いや、ダメ………って、え?」
反論をしている一瞬で初瑪は持っていた学校のネクタイで、俺の視界を遮った。
何で目隠しされてんの?何故に?!
辺りが一気に暗くなって、音と気配だけを拾う。
「初瑪っ…?!な、んで…目隠し…し、てんの?」
「目隠しした方が感じるからな」
「え、は?」
「助けてやるんだから大人しくしろ」
「い、や、大人しく……ひゃっあっ!!」
初瑪がペロッと首筋を舐め、そのままゆっくりと鎖骨まで下がり、チュッと軽いキスを落とす。ただ、それだけの事で俺の体はピクピクと反応する。視界が遮られているせいで次に何をされるのかがわからないから、一つ一つの反応に大げさになってしまう。
クッソ、性格悪すぎだろ初瑪っ!!
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