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ふぁぁぁ!賢者タイム《2》
「りぃ、だから百面相してるぞ」
「誰のせいだと思ってるんだよ!」
「りぃのせいだろ?」
「そうだよ!そうですとも!!」
すーはーすーはー……落ち着け。
何も覚えていない風を装ってこの場から離れよう。 うん。ならばッ………!
「俺っ、洗濯物とかやってくるから!初瑪はまだ寝てて!まだ学校行く時間じゃないし!な!」
「いや、俺も起きる」
「いつもより30分早いよ!寝てて!」
「目が覚めてしまったのだが」
「朝ごはんとかもまだ時間かかるし!」
早くうんって頷いてくれよ初瑪ーーー!
俺、事実しか言ってねぇじゃんかー!
初瑪はまだ半分毛布に体を埋めながら上半身だけを起こし、座る状態で何故かクスッと笑った。
今のどこに笑う要因があったの!?
笑う暇があるなら早く頷いて!!
すると初瑪は俺に近づいてきて、ぐいっと腕を掴んでベッドの中に引き込んできた。
「うわッ……!」
そんないきなり引き込まれればバランスなんてあっという間に崩れて、俺は初瑪の思う通りに初瑪の体に飛び込んだ。
だから何でこうなるんだよっ!ああっ!
「俺っ、支度するから離して!遅れる、学校遅れるだろ!」
「今日は学校があるのか?」
「あるよ!だから離せ……」
初瑪はまたクスッと笑った。
いい加減眼鏡かけてくれません?
眼鏡ないと見えないだろ?
だからさっきから……
「どこ触ってんだよバカっ!」
俺の太腿ばっかり触ってんだよ!
そう言うと初瑪は置いてあった眼鏡をとり、いつものようにかけた。
これで触るのもなくなるはず!
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