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ふぁぁぁ!賢者タイム《4》
その前にどうやってこの手を離してもらおう…
超がっちりホールドされてるよ俺。逃げたくても逃げられなかったら、なんの意味もない。
「りぃ」
「何?」
「昨日のことは覚えているのか?」
うげっ!
「覚えています…はい。だから早く手を離せ」
そう答えると初瑪は俺の顎を掴んで、下をむいていた顔を無理矢理上を向かせ、キスをしてきた。
「んっ!……んっ、んー、んんーっ」
だから何でこうなるんだよ!
キスすんなバカ!!
俺のキスはそんな安いもんじゃねぇんだよ!!
少しして初瑪が俺から口を離すと、ほんとちょっと腕を緩めた。まだ唇はじんじんと刺激の残りを感じ取っている。それが恥ずかしくて悔しい。
「初瑪くん!キス禁止ッ!俺、好きじゃない人とはキスしたくないの!……てか、するもんじゃないの!初瑪にとって手段ですが、俺には愛情表現何です!わかる?わかりますか?」
「りぃはりぃ。俺は俺だ。それくらいわかってるさ」
「じゃあ、何で俺にそんなことするんだボケ!」
「今のりぃと俺では俺の方が決定権をもっているだろう。なら、関係ない」
「関係ありまくりだっつーの!」
こいつの頭どうかしてんだろ絶対!
「まぁ、とりあえず昨日の話はしないようにしてやる。だから、りぃ。早く出かける支度をしろ」
「すごい流れが意味わかんないし、初瑪が手を離してくれないと支度できないし、そもそも出かけるって何?」
初瑪は俺を離すと、ベッドから下ろさせ、自分も降りた。
「デートしよう」
はい???
ごめん、理解出来ない。
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