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いよいよデート…いや、恐怖体験?《1》
「間に合ったー!」
準備出来てたはずなのに、なんだかんだ最終確認とかしてたら時間ギリギリに集合場所に着いてしまった。5分前……これがほんとのデートなら彼女に申し訳なくなって慌てる所だが、相手が初瑪だから何の問題もない。
つーか、これはデートなんて甘酸っぱい物じゃない!恐怖だ。恐怖体験だ!
相手は自分中心の初瑪様。
ここ何日かクラスでの初瑪を見てきたけど、初瑪は女子によく囲まれる。だけど初瑪の方は女子達に全く興味がないらしく、いつも適当にあしらっている。
男子にも結構話しかけられていて、その時は女子達よりも多く会話しているがあんま興味なさそうじゃない。
ほんと興味ないものはとことんないって感じ。
何ともわかりやすい性格だよ。
でも、初瑪は人に嫌われることはないっぽい。
クラスでの素っ気ない対応も去年かららしくって、慣れている人は慣れているらしい。それに初瑪から嫌われていると、話を聞いてくれることさえないらしい。クラスでは初瑪に対してのそんな話が流ているから、みんなわかってるのだと。
……それに時折優しい。らしい
自分中心でも社会性があるタイプの初瑪は、俺の見た感じそこそこクラスの人となじみ、仲良くやっている。荷物で手が塞がっててドアが開けられない人などを廊下で見たら、他クラスでもさらっとドアを開けて何も言わずに立ち去る。もちろん同じクラスであっても。
俺も初めて見た時はびっくりした。
仲良くなるまでには結構かかるけど、1度仲良くなってしまえばちょっとSっ気あるけどいいヤツ……らしい。
それに初瑪には人をまとめたり、指示を出したりする才能があるからか、近寄り難い雰囲気を出しつつも、近づいてみたい雰囲気を放っている。俺の今までクラスの友達から聞いたことと、俺の感じたことを並べて見たけど、考える度に初瑪っていう存在が謎になる。
……考えんのやめよ。
初瑪の為に脳を使うなんて時間のムダだよ。
疲れる。精神的疲労しかねぇ。
「何なんだよアイツ……」
「誰のことだ、りぃ?」
下をむいていた顔を正面に向けると、見なれた顔があった。
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