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帰り道《1》
ハンバーガーを食べ終わった後、俺と初瑪は猛スピードで遊んだ。とにかく遊んだ。ゲーセンに行って、カラオケにも行った。
ゲーセンじゃあ、初瑪があまり来たことがないのかなんかちょっとソワソワしてた。リズゲーはめっちゃ上手かった初瑪だけど、クレーンゲームがものすごく下手だった。
惜しいもなくかすりもしない!
それでも頑張るのはなんかちょっと面白かった。俺はまぁ、中学生の時に通いまくってたからそこそこ上手いかなぁ……っていうレベル。
カラオケはそのゲーセンで、当日限定の割引券を貰ったから行った。俺は歌とか得意じゃないけど下手でもない。かと言って上手くもないんだけどな。
で、初瑪。
めっっっちゃクソ上手い!!!!!
俺なんか途中で歌う気失せたわ。
上手すぎ嫌い。何でもできちゃう系チートイケメン男子嫌い。あっ、クレーンゲームは出来なかったっけ(笑)
「さっきから何1人で笑ってるんだ?」
そんでもって今は帰宅中。
家まであと少しの道を今日あったことを思い出しながら歩いていたら、初瑪にそんなことを言われた。
「今日あったこと思い出してたんだよ」
「……そうか。楽しかったか?」
「うん!久しぶりにこんな遊んだっ!!めっちゃ楽しかったに決まってんじゃん!!!」
「俺もなかなか楽しかった……」
辺りはもう夕日のオレンジ色に染まっている。
「りぃ。今日は楽しかった」
「おう!」
「ありがとう」
「……ッ!」
──ドキッとした。
あまりにも嬉しそうに優しく笑うから。
俺、笑顔に弱いのかな。
でも何となく違う気がする。
俺が弱いのは笑顔というものじゃなくて
きっと……
「どうした、りぃ?」
「ううん!な、何でもねぇよ!」
もう一度だけ初瑪の顔を盗み見た。
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