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1週間最終日《1》

──1週間最終日 あっという間に週末なんて過ぎて、学校に行ったりしてたら、もう初瑪との約束の1週間が今日で終わり……になっていた。 朝も、別に何も変わらなかった。 いつもと同じように起きて、いつものように朝食をとる。たまに初瑪にからかわれて、俺がそれに反応して……そんなんだった。 「どうしたの、李絃~?」 「ううん。何でもねぇよ……」 今は学校で、残す授業もあと一つになっていて。そんな休み時間の時に、前の席の碧が不思議そうに俺を見ている。 不思議なのは俺なんだけどな。 今日から……初瑪が俺の家から、いなくなることを寂しがっている俺がいる。1週間前はあんなに嫌だって思ってたのに、今ではそんなの微塵もなくなっていた。 「李絃?ほんとに大丈夫なの~?さっきからずっとなんかモヤモヤしてるっぽいよ?」 「そんなふうに見えんの?」 「うん!めっちゃ見えますね〜!」 「そんな元気よく言うもんじゃねぇだろ」 「えへへ♪」 「……まぁ、明日になれば何ともなくなってるから気にしなくていいよ。ありがと、碧」 「はいは〜い」 きっと寂しいのは今だけ。 高校入って1年間は1人で暮らしてて、ああやって他人と朝ごはん食べたり、一緒にいたりするのが久しぶりで楽しかったから…………それがまた1人の生活に戻るのが寂しいっていうのがこの“寂しい”って思ってる原因なはず。 だから明日になれば大丈夫なんだよ!! 「おーい、授業始めんぞ!とっとと席につけ」 わなわなと席を立っていたみんなが席につく。 俺の方を向いていた碧もしぶしぶ前を向いた。 ガタガタといろんな音が鳴る中、机をトントンっとされた。何かと思い見ると、初瑪がトントンとしたらしい。 「りぃ、今日先に帰るなよ」 「え……うん」 今までは、何となく一緒に帰ってる感じだったからこうやってちゃんと「一緒に帰ろう」みたいなことを言われたのは初めてで、ちょっと驚いた。 「起立!」 委員の号令がかかる。 ほんのちょっとさっきの言葉が嬉しかった。

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