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最後までヤらないから遊ぼう《1》
「なんだ?必死に逃げる気にでもなったか?」
「何でそんな顔してんの」
「ん?」
「何でそんな……焦ってるような顔してんの」
今の初瑪はなんか焦ってるような顔をしている。そう言ったけど、俺には辛そうな顔に見えて。いつもの意地悪そうなイケメンの顔じゃなくて、何かに焦って、辛そうな……そんな顔をしている。
それを聞いた初瑪は一瞬驚いた顔をして、乾いた笑い声を放った。
「ハハッ、そう見えるか?」
「なんかそう見えるよ、俺にはな。なんかただ俺でこうゆうことで遊んできた時の顔とは違う顔してるし…………」
「……まぁ、焦っているのかもしれないな」
「え?」
「俺にもよくわからないが、あの佐々木というヤツと話してから妙にモヤモヤするからな。理由はほかにもあるが……」
そのモヤモヤが初瑪を焦らせているらしい。
…………モヤモヤ。
俺の、この1週間が終わる……という気持ちにある複雑な感情……これはモヤモヤなのだろう。そう考えるとしっくりくる。でも肝心のモヤモヤの正体がわからなければこのモヤモヤは、どうにもならない。“ 寂しい ” がモヤモヤの正体のような気もするけど、何かが違う気がする。
いや、違うというよりは足りない気がする。
それに俺は気づきたくない。
そんな心がある。
「りぃ、何を考えている?」
「俺もなんかモヤモヤしてるんだよ……よくわかんないけど」
「じゃあ、わからないまま俺と遊ぼうか」
「は?遊ぶってなんだよ」
「りぃは普段なかなか自慰しないタイプだろ」
「ブハッ!!!!!」
絶対今言うタイミングじゃねぇだろ!!!!!
てか、何でバレてんの?!あれ?俺が言ったけ??わからん!
「図星か」
「俺は必要最低限しかしないタイプ何だよ!快感を得るためにするタイプじゃないんだよ!」
「まぁ、りぃが媚薬を飲んだ時は想像以上に反応したし、ビクビクしてたからな。フッ……」
「うあーー!そんな感想聞きたくなああい!」
「で、俺と遊ぼうか」
今このタイミングに何故、話しを戻す?!
繋がってんのか?
まさかこの話と遊びが繋がってんのか!?
……ていうか
「寒い!!」
春と言えど、まだ夜になれば肌寒いのは当たり前で、そんな中上半身裸になっていれば普通に寒い。
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