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最後までヤらないから遊ぼう《2》

「寒いから、服脱がすの止めてくれませんか」 上半身だけだったのに、初瑪はベルトにも手を伸ばしたので何とか止めてもらおうと訴える。 しかし、俺の危機感知センサーが言っている。 「安心しろ、すぐに熱くなる」 もう遅いと。 「待て待て待て!!ほんとに何しようとしてんの!ベルトから手を離して!!離してー!!」 そういう間にもベルトを外すガチャガチャという音が聞こえてくる。 これもうアレだよ!!貞操の危機!! いやあああああああああああ!! 俺はまだ嫌だああああ!!!!! もっと好きになってからがよかったあああ!! え。 ちょっと、え。 『もっと好きになってからがよかった』 ってどうゆう事ですか俺?ねえ、俺よ。 いやいや、初瑪の事とか好きじゃねぇし!! てか、俺も初瑪も男だし。 よし、考えるのをやめよう。 胸に広がるチリチリとした切なさと、答えを見つけ出してしまいそうな、そんなモヤモヤの欠片。どこもかしこも危機感だらけだ。 「りぃ、うるさい。黙って俺に抱かれろ」 「黙ってられるかバカ野郎!!!」 「最後までヤらないから安心しろ」 「最期までとかそういう問題じゃないから!」 「ん?りぃは最後までヤって欲しいのか?」 「最初から最後まで微塵もヤって欲しくねぇよ!!ちょっとは考えろバカ野郎!!」 しゅるると音がしたので恐る恐る見てみると、初瑪の手には俺がしていたベルトが握られていて。しかも、逆の手には初瑪のネクタイが握られている。 早ワザかよ。いつの間にとったんだよ!

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