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最後までヤらないから遊ぼう《3》
「りぃ」
一際甘い声で名前を呼ばれる。
身体の芯が疼くような、甘い甘い声。
これ絶対こういうとき用の声だ。
コイツ自分の声がちょっとエロいことわかっていってやがる!イケメンフェイスにこの声はどんな女も男もやられるだろうな!!
「俺に優しく抱かれるのと、激しく抱かれるのどっちか選ばせてやる。選べ」
「拒否権は」
「ない」
「黙秘権は」
「ある」
おっし!黙秘権使って黙ってれば何とも……。
「まぁ、何も言わなかったら俺のしたいように抱くがな。ついでに最後までヤる」
俺に選択肢はもともとねぇじゃねぇかっ!!!
「どうする、りぃ?」
どうするも何も選びたくねぇよ。
どっちも嫌に決まってんだろ。
「…………ちなみに俺が黙秘権使った場合は、具体的にどんなことするのでしょうか?」
「手始めに両手両足拘束して、即効性の媚薬飲ませて仰向けで目隠しで放置。放置している間に俺は家に帰り、あるだけの玩具を持ってきて帰宅。戻ってきたら後に指が3本入るまで解して焦らしてから、ローションで滑りやすくなったバイブを突っ込んでまた放置。前はリングしといてイけないようにしとくか。りぃは後ろ初めてだからまだ中イキは辛いかもな。あとは……」
待ち受ける死。
真顔で言ってきたさらっと初瑪。そんなこと短時間で思いつくお前が怖いよ、俺は。
お前のイケメンフェイスが台無しだよ。
「もっ、もう続けなくていいから!」
初瑪はそれを聞くと嬉しそうに、にやっと笑った。ああっ〜、でたでた!この1週間で何度見たかわからない、その意地悪そうな笑顔!!
「りぃ、どっちにする?」
選びたくない、けど!選びたくないけど…!!
「ゆっくり考えているヒマはないからな。俺が結び終わるまでに答えろ」
初瑪は俺の両腕を頭の上で結び始めた。
んなっ!!!
そんなの一瞬で終わるじゃんか!!!結ぶな!
でも、どちらか選ばなくちゃ行けないのなら。
モヤモヤの答えが見つかりそうになったとしても、俺は、そっちを選ぶしかなくて。
きっと初瑪も、俺に選んでもらいたいのはこっちだろうから……と。
「……がいい」
「ん?」
「や、さしい……方がいい」
「そうか」
初瑪はそう聞くと、満足そうに噛み付くようなキスをしてきた。
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