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始まる遊び《2》*
「……考えたくもないけど、そのローションは何に?」
「じきにわかる」
「いや!恐怖なんだから、今教えろよ!」
「なら、すぐ使えるように早くしないとな」
寝ている俺の上に、初瑪が慣れたように跨ってきて、またキスを再開する。数回啄むようなキスをされれば、次のタイミングで舌が中に入ってくる。
「……んっ………っ……」
慣れないこのキスは好きじゃない。
苦しくて息ができないし、男としてキスをリードされてるってのもなんか嫌だ。キスしてる相手、同じ男だけどな。何て……お構い無しに初瑪は続けるんだけど。
「んはっ………」
口が離れれば、今度は体に手が触れていく。この間の冷たい手を思い出してしまって、触れられた瞬間ビクッとしてしまったけど、手が冷たいなんてことはなかった。
その反応に、初瑪は意地悪そうに笑う。
「……ん、何…っ」
「ご希望通り優しくしてやるから、そんなビクビクするなよ……虐めたくなる」
首筋から鎖骨、胸までおりてきた手がまだ勃っていない胸の突起の周りをゆるゆると撫で回す。
「……んっ……」
あまりにも優しく触られすぎて、くすぐったい。でも、それはだんだんむずかゆいものになってきて、嫌な予感がする。
「感じてきてるか?」
「……っ」
媚薬の時に散々感じてきたそこは、体が覚えたかのように、ゆるく熱を帯びてきていた。
俺、男のなのに……!
1度感じた快感を覚えているこの体が嫌になってくる。
「んぁっ……!」
いきなりその突起ににゅるっていう感触がして、どうにか目線を下に向けると、初瑪が指に何かをつけていて、それを塗り込むように塗りつけていた。
ローションのボトル蓋がいてるのは気のせい?
かと思ったら気のせいなんかじゃなくって、初瑪はそのローションの中の液体をまた手に取り、さっきとは逆側に塗りつけてきた。両方塗り終わると、片方の突起を優しく摘んで弄り始めた。
「……ひあっ……ッ!」
さっきとは比べ物にならないくらいの刺激が走る。おかしい。
おかしいおかしいおかしい!!!
いやだって、俺男だし!
乳首なんかで感じるわけないし!!
のはずなのにめっちゃ感じちゃってるし!!
初瑪は弄ぶように指を動かす。
「……んっ…ん……っ」
「何でこんな所、感じるんだ?って思っているだろうな……教えてやろうか?」
「……んっっ…教え、ろ…よっ」
そう言うとツンっと弾いて手を離し、はいていた俺のズボンを脱がしながら、初瑪は悪戯っぽく笑う。
「このローションには即効性の媚薬が50%配合されているからな。りぃが感じるのも当たり前だ。もともとりぃは薬が効きやすい体質なんだろうがな…」
俺が変態じゃないと安心した反面、ヤバいと身の危険を感じる部分がある。
いやいやいやいや!
またあの地獄の媚薬を体験せねばならんの?!
媚薬って、ただただしんどいだけじゃんか!!
「……なんで、そんなもん使うんだよ」
「男の体が、すぐに抱ける体になる場合なんて少ないからな。元からゲイか……よほど感じやすい体か。そのどちらかだな。ノンケ相手ならとりあえず媚薬使って教え込むのが早い」
「……教え込むって何?!」
「そのままだが?」
ひえええええええええ!
助けて!!!
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