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違和感と慣らし《3》*

「もう少し腰上げろ」 「…………ッ」 羞恥心と酷くされたくない気持ちで、もうなんかどうでも良くなってきて、嫌々ながらも従う俺。 閉じかけていた足を初瑪の足で開かされて、初瑪が足の間に体を軽く入れてくるように座った。そのままお尻に初瑪の体温で温かくなったローションを垂らされて、それが伝っていく変な感覚に耐える。 この体制で初瑪の位置だと恥ずかしい所全部丸見えで、そう考えるだけで恥ずかしさと屈辱感で泣きたくなってくる。初瑪の指は割れ目をつたって、後孔にたどりつき、垂れるローションでふちをなぞるようにして塗り込むように指を動かしてくる。 「嫌…ッ!…やめ、ろ…そんなとこ触んな…ッ」 「直ぐに慣れるからな。そんな怖がらなくても大丈夫だ、りぃ」 怖がってなんか……… 「…………な、い」 「どうだろうな。まぁ、りぃがそう言うならいい」 ……うっ、く、気持ちわりぃ。 普通なら他人に見られることも触られることもない場所を触られていることに、羞恥と違和感がやばい。だんだんローションの媚薬が効いてきたのか、その優しい手つきだけなのに熱が生まれはじまる。 「……っ……ぁ」 その垂らしたローションが少し俺のモノにつたって垂れてきて、前からも媚薬で熱を生みやすくなる。体制的に初瑪の顔は見えないし、それに初瑪が喋らないから初瑪が何を思ってるかなんて微塵もわからない。まぁ、顔が見えててもわかんないんだろうけどさ。 「そろそろだな。……りぃ、指いれるぞ」 「……ぅ、や…ッ」 そう言ってから指がくるくるとふちをなぞってから、指を徐々にいれられた。 「……ヒッ、ぁ」 いれられた感覚は正直に言って気持ちわりぃ。 圧倒的な違和感しかない。 The 違和感!!! 違和感オブ違和感!!! 排泄するための場所に指が入ってるなんて信じられないし、信じたくもない。なんで俺がこんな目にあってるとか、こんな恥ずかしいことされてるのか、しかも同性にとか考えるだけで惨めになってくる。 拳と拳の闘いなら負けないのに!!! 初瑪なんて俺の拳1発で一瞬なんだよ!! お前なんて絶対絶対絶対敵じゃないのに! なのに、なのに…… 今の俺は何も出来ない。 「…は、つめは…楽しい…んっ、のかよ……ッ!…俺に…こんなこ、と……っして」 「ああ、久しぶりにかなり楽しいな。りぃを見てるとものすごくゾクゾクする……いじめたくて仕方がないくらいだ」 顔が見えなくても初瑪が笑っているのがわかる。そんな声をしていた。そう言いながら初瑪は、いつの間にかかなり入っていた指をかくっと曲げた。 「…んッ!!」 その瞬間くる強烈な快感の波。 初瑪の指が掠めたそこは、触れられるだけで達してしまいそうなほど強烈な快感を生んだ。 何?! 何してんの?! どうなってんの!? 「見つけた……っ」 初瑪は1度その場所を見つけると、そこばかりを集中的に刺激してきて、その度に体が跳ねる。今までに感じたことないくらいのその快感は、俺にとっては痛くも感じられる。掠める度に、触れられる度にピリピリとしたものが走り、自分でも驚くくらい半端なく感じてる。 正直ヤバい。かなりヤバい。 「あっ……ひゃっ、嫌だッ……や、そこ……やッ」 思考が持っていかれる。 何も考えられなくなる。 普通じゃないこの遊びを今すぐ止めるのが俺にとって一番大事なのに。

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