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1週間終了!《1》side初瑪
「起きたか」
ガチャとドアノブの回る音がしたので、そちらを見れば俺のTシャツ(……たぶん下着は履いてるな)を着たりぃがいた。
「大丈夫か?」
読書を止め、そう聞いた。
だが、りぃは俯いて何も言わない。リビングの中に入って、俺の近くにきてもそのままだ。
「りぃ?」
念を押すように名前を呼ぶと勢いよく顔をあげたりぃだが、俺の目はなかなか見ようとしない。……あぁ。
「お前は恥がないのか!!」
俺は別に何も恥ずかしいことはしてないからな。
「恥?何故そんなものがこのタイミングで必要なんだ?」
「普通は友達同士であんなことしねぇだろ!」
「俺はお前の友達だったのか」
「え?!そこから?!」
そう、言うと思った。りぃは優しいから。
「なんてな。それくらいわかってる。そんなに予想通りの反応をするな」
やはり、お前をいじるのは面白い。
「初瑪はいつ帰んの?」
「りぃが起きたら帰るつもりだったから、今帰るが。それがどうした?」
「夕飯の食べてかねぇの?」
「最初に言っただろう。食べる時間があれば、と」
りぃは悔しそうに顔をしかめるが、俺はちゃんと最初に言ったはずだ。
まぁ、あそこまでやる気はなかったが。
俺は座っていた椅子の足元にあった荷物の中に、テーブルに置いた本をしまいながら少し笑った。
「寂しいか、りぃ?」
どんな反応をするのかと気になったのと、俺がただ単純に聞きたかったこと。
「……初瑪じゃなくても家にいた友達が帰るのは寂しいだろーが。それに1週間って長かったし」
「俺も寂しい」
本心だ。
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