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碧くんと俺と金髪くん《1》
「じゃあ、ゴールデンウイーク明けな。以上」
担任の先生がそういって教室を出ていく。月は4月から5月にかわり、5月の醍醐味ゴールデンウイークの前日……5月2日になっていた。
初瑪との1週間が終わって2週間が過ぎた。
特に何も変わったことはない。席は相変わらず隣だ。でもどこか距離が離れているようにも思える。会話だってしないわけじゃないし、避けられているわけでもない。
でもなんかしっくりこない。
……なんかモヤモヤする。
「李絃〜♪カラオケ行こっ!」
話しかけてきたのは碧。
ちなみに言うと今日は碧と誕生日だ。
朝からクラスの皆にお祝いされてて、お菓子をたくさん貰っていた。だいたいこの時期ってまだ馴染んでないから、誕生日を祝われるのがクラスの大半の人数ってのは少ないんだろうけど。碧のコミュ力は異常値をだしているから、関係ない。恐るべし!
「行く!碧の誕生日だし」
「わーいっ!あのね、あのね!俺ね、連れてきたい子がいるんだけどいい?」
「いいよ」
碧の誕生日は毎年カラオケに行っている。
カラオケに行って、途中で買うカットケーキを一緒に食べて、ちょっとしたプレゼントを渡して帰る。ここ3年はそんなことをしていた。
碧もいろんな人から誕生日だからカラオケで祝うみたいな話はされてるんだけど、何故か毎年クラスからのお誕生日祝いの誘いは行かない。
碧はお祭り事とか大好きでみんなとも騒ぐのも好きなはずなんだけど、自分の誕生日はさほどそんな騒ぐものじゃないって思ってるらしくって今に至る。
そんな碧が連れていきたい子とは、誰だろ?
まさか……好きな子とか…っ!
え、あの碧が!!!
ふぁぁ、マジで?!
あ、どしよ。
したら俺、邪魔なんじゃね?!
「李絃〜そんなんじゃないよ?」
「え?」
「俺が連れていきたい子は、女の子じゃないもん」
「なんで俺が考えていることわかんの!!」
「ふふふ〜だって李絃の想像することはだいたいわかるもん。何年、李絃と一緒にいると思ってるの?」
恐るべし幼馴染み!!!
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