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佐々木さんと2《3》
「篠宮くん顔に出てる。早く食べたいって顔に書いてあるよ?」
佐々木さんがそんな俺を見てクスッと笑う。
「始める前に先に食べちゃおうか?」
「え?!いいんスか!!」
「これからいっぱい考えるから、先にチーズケーキとジュースで糖分摂取しとくってことにしよう」
「わーい!んじゃ俺、お皿持ってきますね!」
「うん、ありがとう篠宮くん」
急いでお皿とフォークを取って戻り、机の上のものをとりあえず床に移動させる。飲み物は甘いものと甘いものになっちゃうけどジュースがあるから……あ、でも佐々木さんは飲めないんだっけ。
じゃあ、コーヒーとか出した方がいいかな?
「佐々木さん、コーヒーとか飲みますか?」
「ううん、大丈夫だよ。さっきここ来る前にコンビニで買ってきちゃったから。ありがとね」
「はいっス!」
ケーキを佐々木さんが取り分けてくれて、「どうぞ召し上がれ」と言ってくれたので遠慮なく一口食べる。
「美味しい!!」
「良かった〜」
ああ、やっぱりチーズケーキは最高だな!!!
今回のチーズケーキは甘さ控えめになってるからか、佐々木さんも食べられるらしく、2人でちょっとした日常の話などしながら食べる。
「たまに迷惑な上司だけど、こういう所は感謝しなくちゃだね」
「そうっスね!」
水分を求めて一緒に貰ったジュースを開けて飲む。あれ?またカチって鳴らなかったよな?確かこの間も…………ならなかった。それで。
「どうかしたの、篠宮くん?」
「あ、いえ。これ美味しかったよなぁーって」
「そっかっ!なら、良かった」
まだ佐々木さんが来て、10分しか経ってない。
……初瑪からは、なんの連絡もない。
何だろ。飲んじゃいけない気がする。
だって、おかしいところが多すぎる。
だって、甘いもの苦手なのに佐々木さんの飲んでるコーヒー……カフェオレだもん。
カフェオレって甘いよな?
それに、カチって鳴らないのもなんかおかしい。
「飲まないの?」
でも、ここまできたら飲むしかない。
「飲みます!へへっ」
そのままボトルの口に口をつけ、半分ほど飲んだ。
「ありがとね、篠宮くん」
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