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犯人は《2》
「嫌だ……っ、来ないでくださ、いっ」
「そのお願いは聞いてあげれないな」
佐々木さんは俺を抱きあげ、ソファーに押し倒す。
「んっ、ひゃっ……あっ!」
それだけで体は嫌でも快楽を生む。
嫌だ、来ないで。
これからされることが、わかりたくなくてもわかってしまうから、恐怖がよりじわじわと確信に変わる。
「怖い?」
そんなのいきなり今まで信用していて、仲良くって、普通に接していた人に媚薬を盛られ、押し倒されてることに恐怖を抱かない人なんているの?
怖いに決まってんじゃねぇか!!!お前だってされてみろよ!!俺は、こういうことされて喜ぶドMじゃねぇんだよ!!!
怖いって聞くぐらいならやめろよ!!!
なんて今の俺は口に出して言えないから必死に頷く。言えて何発かぶん殴れたらどんなにいいことか。つーか、絶対殴ってやる!
俺が元に戻ったら絶対殴ってやる!!!!
「やっぱり怖いよね。ごめんね……でも、すぐに怖くなくなっちゃうから大丈夫だよ?」
シュル……とネクタイを解くと、佐々木さんは俺の両腕を頭の上で縛る。幾らかは抵抗したけど意味がなかった。むしろその動いた反動で感じてしまって、より佐々木さんの加虐心を扇いだっぽい。
「ぁ、嫌だ…ッ、離して……!」
「いい子にしてればすぐに楽になるから」
「い、いから……ッ、あっ、離せッ…!」
「誰に向かって口を聞いてるのかな篠宮くん?いいの、俺にそんな態度とって。小説書けなくなってもいいの?」
それを言われたら何も言えない。
嫌だ。小説書けなくなるのは嫌だ。
でも、このまま佐々木さんの好きにされるのも嫌だ。嫌だ。離せ。今すぐ俺の上から退けよ!
「嫌だよね?書けなくなるのは。じゃあ、俺のいうこと聞いてね?篠宮くん」
そう言い終わると、佐々木さんは俺の着ていたTシャツの中に手を滑り込ませる。
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