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認めた好き《2》side初瑪

「りぃ、大丈夫か?」 りぃは顔を背け、ただ頷く。 体が小刻みに震えているのには、気づいていないのだろう。強がりで、なかなか素直に言えないりぃの事だから、指摘しても違うって言うのだろうな……なんて。 「大丈夫じゃないよな…遅くなって悪かった」 もう少し早く来ていれば……俺はりぃに、こんな思いをさせずに済んだのだろうか。 りぃの手首にされていたネクタイを解き、そのままゴミ箱に捨てる。そして、ゆっくりとりぃを抱きかかえ、そのおかげで空いたソファーに座ると、りぃを向かい合わせで俺の膝の上に座らせる。 「……んっ、ぁ…」 あぁ、そうだった。 向かい合わせのせいであまりにもりぃの甘ったるい声がダイレクトに腰にクる。 今は欲情している場合じゃない! 「りぃ」 震えるりぃの体を抱きしめ、耳元で名前を呼ぶ。 「……んっ」 鼻から抜ける声がしたかと思うと、小さな嗚咽がりぃから漏れる。震える体を揺らしながら、溜まっていた涙を流す。その姿を見るのは、こんなにも胸が痛いものなのか。 「俺がいるから大丈夫だ。安心しろ」 少しは安心してほしい。 今俺に出来ることは抱きしめて、りぃのそばにいてやる事しかないのだから。 「……あんま、耳、んっ、元で……喋ん、な!」 「……あぁ、薬まだ残っているのか」 「わかって、んなら……ぁん、黙れ…よ!」 文句を言えるくらいの元気はあるのか。 りぃ…らしい。 りぃから流れる涙を指で拭って、顔をのぞき込むがまた顔を背ける。 さっきから、1度も俺と目を合わせていない。

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