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聞かされた宣言《3》
「りぃ?俺の言うことが聞けないのか?」
背筋にゾッと悪寒が走る。
あ、無理。終わった。無理。人生破滅。
「……き、聞ける」
「フッ、なら明日はオレと寝ろよ?」
「うん」
そう俺が頷くと顔をキスするときみたいにギリギリまで近づけてきて、またニヤッと笑う。
二重の意味でドキドキやべぇ……!
「ご奉仕するのはいつがいい?」
まるで女を落とす時に使うような、色っぽい低音ボイス。それをこんな至近距離で。
……うん。うん……?……うん。
「いいから離れろばああああかッッッ!!!」
とりあえず自分を解説するよりもこっちだな。
現状をどうにかしないと。とうの初瑪は、楽しそうに笑っている。
「何が楽しいんだよ!」
「ん?……りぃは見てるだけで楽しい」
「そう、ですか?」
「からかうの方がもっと楽しいがな」
「デスヨネー!言うと思った!!」
でも、そんな事でも俺のことで笑ってくれるのって嬉しいんだな。……なんか、変な感じ。
「そうだ、りぃ」
「何?」
「明日はどこか行くか?」
「……えっ?」
初瑪からそんなこと言ってくるなんて思ってもみなかった。びっくりして、えっ?って言っちゃったじゃん、えっ?って!!
「デートはした事あるが、普通に2人で遊んだことはないからな。折角の休みだから遊ぶのもいいだろう?」
「文脈傍から見たらおかしいよな」
「何処がだ?」
「デートはした事あるのに、遊んだことはないってとこ。普通逆じゃん!な?」
「まぁな、一般的には逆だな。俺達はちがうが…」
デートなんてしてねぇし。だって
「あれは初瑪が勝手にデートって言ってただけじゃん!!!俺はデートだなんて思ってないかんな!」
付き合ってねぇのにデートなんか言わねぇもん……
「例え恋人同士じゃなくてもっとデートと言ったらデートでいいじゃないか。デートと遊ぶのは何が違う」
「めっちゃ違うから!!けっこう重要だから!!!デート経験ぐらいあるでしょ?!」
「本気でデートだと思ったのは無いな」
「ほら!あるじゃ……って、ガチで好きになった人とのデートした事ねぇの初瑪?!」
「ないな」
この遊び人がっっっ!!
「あっそっ!!」
キスが手段の人はそうですよね!知ってますよ!
「で?何が違うんだ、りぃ」
しれっと催促してきやがって。
自分でいいながら、初瑪の過去を知っていって悲しくなる。
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