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悠義さんとご対面《4》

「そろそろ帰るか……」 初瑪がそういい立ち上がる。気づけば閉館時間、10分前になっていた。あれから、俺と初瑪は図書館に入ると、それぞれ本を取りに行った。 俺は次の小説の巻のネタに使うために、大量の植物図鑑。初瑪はなんかよくわからないけど、ミステリーっぽい文庫本を手にしていた。 初瑪が先に席に座っていて、俺がその前に座る。 俺が座った時に本を読んで下に向いていた目線がチラッと上がって、俺を見て笑ったことにキュンってしたのはきっと悠義さんのせい。 さっきの言葉が妙にまた俺に初瑪を意識させる。 もう!既に初瑪のこと意識してんだから、やめてほしい……! 本を読んでる時の初瑪は集中していて、ページをめくり、視線を流す事以外無駄な動きをしない。 必要な動きさえ静かに行う。 うぐぅ! なんか綺麗なんだよ!カッコイイかよっ! そんな初瑪をチラ見しながら図鑑の必要な所をノートに写していたから、ちょっといつもより誤字脱字が多かったのは当然で。 今度書き直そ…………。 「悠義は呼んであるから、下に着く頃にはいるだろう。待たせるのも悪いから早く行くか」 「おうー」 俺達がいたのは図書館の2階で、階段をおりて、さっき悠義さんにおろしてもらった所まで行く。 「お迎えにあがりました。初瑪様、李絃さん」 「ありがとう悠義」 「ありがとうございます悠義さん!」 既に到着していた車に図書館に来る時に乗った時より軽い気持ちで乗る。最初のような悠義さんに対する変な緊張と、車の中の俺に振られると困る話の雰囲気はなく、ちょっと助かった。 車をしばらく走らせれば、家に到着していた。 「休みが終わるまでには帰る」 「わかりました初瑪様!楽しんでいってらっしゃいませ!李絃さんもよろしくお願いします!!」 そう言われ、「こちらこそです」と答えると、悠義さんは優しく笑った。 うおお、やっぱ顔はいいんだな……! 「りぃ、降りるぞ」 「おう」 2人で車を降りた。

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