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教えてくれ《1》side初瑪

「…………………」 「…………………」 あの会話が終わって、すぐにベットにりぃを押し倒したが、そのままどうしていいかわからず、じっとりぃを見つめている。 かれこれ3分程はこのままだった。 りぃは俺が目を合わせて少したったら、すぐに目を逸らした。顔を真っ赤にしながら。 その顔がどんなにイイか、お前は知らないだろうな。 はぁ……俺もおかしい。 りぃに対する感情は何故?と思うことばかりだ。 りぃを手に入れたらこの感情に答えは出るのか。 そんなことを思いながらりぃに顔をよせ、弱いであろう耳元で声を出す。 「……何故、俺を見ない?」 そう囁いてから顔を離すと、りぃの顔が視界に綺麗に映る。 「…ふぁ、っ」 顔を真っ赤に染め、目元にはうっすら涙をため、ほんのり甘い、思わず出てしまったような声を零す。 「…………はぁ」 じわじわと理性が脆くなる。 相手がりぃと言うことだけで、こんなにも俺は面倒なのか。何故だか笑える。 「ご、ごめんっ」 そんな俺にりぃは謝るが、それを俺は抜けた様に答えることしか出来ない。 「あぁ……」 俺はもう1度小さくため息をつくと、りぃの目を片手で覆い隠して視界を奪い、もう片方の手をシャツの中に入れる。 「な、何すんだよ……ッ」 「…………」 行動に移せばその先にも手を出すことが出来る。 今までの俺のように欲しいものはすぐに手に入れ、いらなくなったら捨てる。他人など考えずに、あくまで自分さえ良ければ。 でも、りぃには何が違う。 ピクッと反応したりぃに気づき、入れていた手を頬にそっと添える。 あぁ……俺は。 顔を近づけて、ほんの少し動けばキスが出来るところまで持ち込むが、スッと顔を離す。 唇に触れるのはダメだ……そのかわりとでも言うように、唇以外のところにチュッ…と、キスを落としていく。りぃが必死に声を抑えようと、ふるふると震えているのがわかる。 ほんとにこの震えが声を抑えようしているからか……それとも、このキスに対しての恐怖心からか。 ほんと、普段の俺は何処に行ったんだか。 そう思った時、りぃの泣きそうな声が耳に入る。 「……なんでしてくんねぇの……っ!」 意味が、わからなかった。

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