162 / 174
教えてくれ《1》side初瑪
「…………………」
「…………………」
あの会話が終わって、すぐにベットにりぃを押し倒したが、そのままどうしていいかわからず、じっとりぃを見つめている。
かれこれ3分程はこのままだった。
りぃは俺が目を合わせて少したったら、すぐに目を逸らした。顔を真っ赤にしながら。
その顔がどんなにイイか、お前は知らないだろうな。
はぁ……俺もおかしい。
りぃに対する感情は何故?と思うことばかりだ。
りぃを手に入れたらこの感情に答えは出るのか。
そんなことを思いながらりぃに顔をよせ、弱いであろう耳元で声を出す。
「……何故、俺を見ない?」
そう囁いてから顔を離すと、りぃの顔が視界に綺麗に映る。
「…ふぁ、っ」
顔を真っ赤に染め、目元にはうっすら涙をため、ほんのり甘い、思わず出てしまったような声を零す。
「…………はぁ」
じわじわと理性が脆くなる。
相手がりぃと言うことだけで、こんなにも俺は面倒なのか。何故だか笑える。
「ご、ごめんっ」
そんな俺にりぃは謝るが、それを俺は抜けた様に答えることしか出来ない。
「あぁ……」
俺はもう1度小さくため息をつくと、りぃの目を片手で覆い隠して視界を奪い、もう片方の手をシャツの中に入れる。
「な、何すんだよ……ッ」
「…………」
行動に移せばその先にも手を出すことが出来る。
今までの俺のように欲しいものはすぐに手に入れ、いらなくなったら捨てる。他人など考えずに、あくまで自分さえ良ければ。
でも、りぃには何が違う。
ピクッと反応したりぃに気づき、入れていた手を頬にそっと添える。
あぁ……俺は。
顔を近づけて、ほんの少し動けばキスが出来るところまで持ち込むが、スッと顔を離す。
唇に触れるのはダメだ……そのかわりとでも言うように、唇以外のところにチュッ…と、キスを落としていく。りぃが必死に声を抑えようと、ふるふると震えているのがわかる。
ほんとにこの震えが声を抑えようしているからか……それとも、このキスに対しての恐怖心からか。
ほんと、普段の俺は何処に行ったんだか。
そう思った時、りぃの泣きそうな声が耳に入る。
「……なんでしてくんねぇの……っ!」
意味が、わからなかった。
ともだちにシェアしよう!