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初めての好き《2》
「目、瞑っていろ」
言われた通りに目を瞑り、視界をシャットアウトする。ドキドキ鳴る、心臓がよりうるさく感じる。
「……りぃ」
それが合図だったらしく、そっとキスをされる。
触れ合わせるだけのキスから、角度を変えて啄むようなキスをされ。それだけなのに、思考は溶けそうになる。
「……っ……ふ…ぁ……」
酸素が欲しくて口を開ければ、逃がさんとばかりに初瑪の舌が、するっと入ってくる。
ほんとっ、俺は学習しないね!!
「……んんっ……ぁふ…っ……ぁ」
口の中をくるりと1周舌が這わされ、俺の逃げ回ってい舌にその舌を絡みつけられる。
クチュクチュと漏れる水音と、熱い吐息。
ダイレクトにくるその刺激に、立っていられなくなって初瑪の服を掴めば、初瑪が片手を腰に回し、もう片方の手を俺の後頭部に回す。
何度か息を吸えたけど、そんなのもう考えられないくらい思考は溶けていた。
「…ふっ……ぁっ、ん……んんっ……」
きもちい。
幸せ。
好き。
それだけが脳内を巡る。
「……んんっ、っ!」
舌を吸われ、2、3回甘噛みされるとピリピリと身体にしびれが走る。チュッと小さな音とともに唇が離れ、空気が舞い込む。吸えなかった充分な空気を吸い、呼吸を整えながら初瑪を見る。
あぁ!見なきゃ良かった!!
その熱っぽい瞳は真っ直ぐに俺を捕らえていて。
捕まった俺は視線を逸らすことが出来ない。
心臓が、うるさい。
「りぃ、何そんな見つめているんだ?」
見つめているんじゃなくて、目が離せないんだよ。捕えられて、逸らすことが出来ないんだよ!
……初瑪はそれを知っていながら、言ってるだろうけど。
「……ん?もっと、欲しいか?」
「なにが?」
「キス」
その言葉でさっきまでのキスを思い出し、顔が熱くなる。あんな溶けるようなキスなんて、そんな沢山出来るもんじゃない!!無理!無理です!!
俺がおかしくなりそうだから!!
「いっ、いらない!!!」
「フッ、そうか。……なら、戻るか」
「えっ、帰るのかよ?」
「帰るわけないだろう。戻るだけだ」
「戻る?」
「りぃ、ベットに行こうか」
正直、逃げた方がいいんじゃないかと思ってしまった。
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