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おにぎりと呼び名《1》

「お前大っ嫌いだよ!!!!!」 「あれは半分事故だ。黙れ」 「事故でもその後のセリフがダメだよ!!」 「……五月蝿い」 「ばああああかっ!!!!」 「…お前、俺が弱味握ってるの忘れてるのか?」 「すみませんでしたぁぁ!!!」 「わかったなら別にいい。こっちも泊めてもらう側だからな」 「あ、ありがとう?」 何故か俺がお礼をいってしまう。 とりあえず一週間が終わるまでは初瑪をあんま怒らせないようにしないとな。 ……………初瑪の言葉は絶対だし。(←は???) これから一週間がお先真っ暗だよ。 恐怖しかない。 でも、なるってなったら受け入れるしかない! もしかしたら、気が合うかもしれないしな! 何にも知らないで嫌うのは良くないからな。 不法侵していた男をいくら同じ高校だからといって泊めてしまう俺も俺だと思う。 でも、一人で住むには広めの家に一人じゃないってのが少し嬉しい気がする。 こうなったらどうにでもなれ! 「初瑪、夕飯は済ませた?」 「いや、まだだ」 「じゃあ、先にお風呂入ってきちゃって。時間になるとお風呂沸くようになってるから、もう沸いてると思うし」 「いいのか?先に借りてしまって」 「いいよ!俺、その間ご飯作っててやるから」 それを聞くと初瑪は少し驚いたような顔をした。 「っても、おにぎりぐらいしか作れないけどな。おにぎりの具、何がいい?」 「梅…か、ツナマヨがいい」 「おっし!了解!風呂はすぐそこの扉だから、後で着替え持ってくから」 「……いいのか?」 「いいんだよ!こうなったらどうにでもなれ!って感じだから。一緒にいるなら楽しまなきゃ損だろ」 すると初瑪は納得したのか、ふっと柔らかい笑みを浮かべ「ならいい。ありがとう」と言って、俺が指差した風呂場へ向かった。 「さぁて、おにぎり♪おにぎりっと♪」

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