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朝になったね《2》

「初瑪~起きてっか~?」 ガチャっと寝室の扉を開けると、初瑪は布団に下半身を入れたまま座っていた。 「初瑪おはよう……って起きてるか?」  初瑪はつらつらと首をこくこくしていた。 (ちょっと表現がよくわからないな) まだ寝ぼけてるっぽい。 目は半分虚ろだし、俺の言葉にも反応しない。 ……昨日のアレからするに寝起きは弱いのか。うん。 ほんのちょっと警戒する。 ちょっとだよ? ちょっと…… 一方初瑪はこくこくするのを止め、ぽーっと俺を見ていた。 え? 何で俺、ガン見されてんの? 「ん………おはよう、りぃ」 初瑪が言った。 たぶん初瑪はここが何処だかわからなかったんだろうな。 だからしばらくぽーっとしてたんだろう。 俺をガン見していたのもそのせいだ。 「おはよう初瑪。朝ごはん食べるか?」 「…食べる」 「ご飯とパンどっちがいい?」 「…パン…」 「おう。りょーかい。あ、焼く?」 「…焼く」 「じゃあ、焼いてる間に顔とかさ、洗ってきちゃってな~初瑪」 初瑪は俺に言われたとおり、文句も言わずに俺が教えた洗面所に向かった。 ……初瑪よ。 寝起きだとすごい素直なのな。 ほとんど単語で会話してたぞ。 そんなことを心で思いながら俺は、トーストをしに戻った。 数分すると完全に目が覚めた初瑪がやって来た。 「わざわざ悪いな朝から」 「いや、朝ごはんなんだし。いいよ全然」 「…りぃはもう朝ごはん食べたのか?」 初瑪はトースターの中を覗き、パンが一枚しか入っていないのを見て俺にいった。 「おー?俺?食べたな。洗濯物が終わるまで時間もったいなかったし」 「……そうか」 初瑪はほんの少しだけ残念そうにいった。 それと同時にチンッとトースターから音がし、パンが焼き上がった合図がなる。 用意しておいたお皿にトーストをのせて、初瑪に手渡す。 「ありがとう」 初瑪はトーストがのった皿をを受けとると、昨日と同じように食卓についた。 そして「パンに何かぬるか?マーガリンとイチゴジャムとか…あー、マーマレードもあるけど」と聞けば「マーガリンだけ貰うな」と言うので、コーヒーと一緒にテーブルに置く。 「前、失礼しまーす」 「ん?あぁ、構わない」 初瑪の向かいに座り、俺用のコーヒーに角砂糖を2つ入れ、じっと初瑪の顔を見る。

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