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新しいクラス《3》

「ねぇ~李絃、李絃」 さっきまで話していた話を中断し、碧がくるっとこっちを向いて話しかけてくる。 コミュ力パネェな碧。 「ん?何?」 「さっきの眼鏡の男の子と李絃って知り合い?」 「…知り合いっちゃ知り合い。うん知り合いだな」 ごめん、碧。 ウチに不法侵入してきて、キスされて、しかも1週間泊める約束しちまったとかは言えないんだ。俺も初瑪も色々まずいからな。 「ほぇ~そうなんだぁ~。あ、そうだ。李絃もみんなに挨拶しとけば?今逃すとまた恥ずかしがって言えなくなるよ?」 「べ、別に恥ずかしがってる訳じゃねぇーし!だだ、緊張するってだけ」 「世の中の世間一般じゃ、恥ずかしがってるって言うんだよそういうのは 」 「だな 」 回りにいた男子たちが突っ込んできた。 あー、いけるかも! すーはーすーはーと2回呼吸をして鼓動を整える。俺は最初さえ切り抜けちゃえば後は普通にいられるタイプだからここさえできれば大丈夫! いける!いけるぞ李絃! 「俺、篠宮李絃。えっと、ええと、あー、その…」 「何が言いたいんだよ! さっきからあー、とかええと、しか言ってねぇぞ 」 「緊張してんの察して!ねぇ察して!」 「わかってるよ! よろしくな篠宮。お前面白いヤツだな 」 「あっ、よっ、よろしくなっ!」 盛大に噛みまくった俺。 「李絃よく頑張りました~!」 「碧に言われたくねぇよ」 俺がそうやってクラスのやつらと打ち解けていくうちに、ホームルーム開始の予鈴がなり、みんなが各自の席に散らばっていく。 そして、俺は思い出す。 「…おはよう初瑪」 隣が初瑪なことに。 「始まるから前向け篠宮」 なんか違和感あるな。 何でだ?

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