39 / 174

自己紹介《1》

ガラッと音がすると、かなり若いであろう先生が少し、…………いや、あれはだいぶだな。 だいぶ怠そうに中に入ってきた。 黒髪で前髪が少し右目にかかって隠れている男の人だ。流れからして担任だろう。 「ほらー、とっとと席につけー」 教卓の前までくると怠そうに俺らに指示をだす。その声を聞き、まだ席についていなかった人たちがわなわなと席につく。 女子の声も男子の声を聞こえなくなった。 「…俺の名前は久野伯哉(くの はくや)だ。 お前らの担任。教科は英語。自己紹介は以上だ」 この若い先生は久野先生というらしい。 あからさまにめんどくささ出てるぞこの先生。 「あー、最初に言っとくが問題だけは起こすな。確実に俺が巻き込まれるからな。面倒くさいことはごめんだ。喧嘩とかするのは構わねぇが、俺にバレないようにしてくれ。くれぐれも問題事は俺に見えない所でな。いいな?……特に」 前の席の碧を見ると、少しビクッとしていた。 いや、俺もしたけどな。 それは久野先生が特にと言いながら、あきらかに俺と碧の方を見たからだ。 「相澤と篠宮聞いているのか?」 「聞いてますよセンセ~」 答えたのは碧。 先生やめてください。 俺と碧は別に何も悪いことはしていません。 そんな危ない子じゃないです。 見た目通りの子です。俺はただの小説家です。 碧だってたべるの大好きな男の子です。 だから… この流れで話を俺らに持ってこないでください!! 「なら、いいぞ。で、特に警察沙汰が一番厄介だからな。気を付けろ。悪い意味で警察の世話になるんじゃないぞ。ってことでよろしくな一年間」 所々言うことが教師じゃない。 まぁ、こういう先生なんだろう。 そして時はやってくる。 「じゃあ、次の時間は自己紹介だな」

ともだちにシェアしよう!