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俺はぽよんってしないぞコラ《1》

今日は午前中だけ授業なのでお昼前に下校になる。今は帰りのSHRの時間だ。 「おーい、篠宮ー!ちょっと聞きたいことあんだけどいいか?」 SHRなのに、もはやただの質問し合う時間みたいになっている。先生よ…働いてくれ。 久野先生のSHRは一瞬で終わる。 今日でわかった。 そして、これは毎日続くのであろう。 なんてことも伝わってきた。 どんだけ怠いんだよ…先生よ。 というわけで、SHRが終わるチャイムがなるまでクラスはわちゃわちゃし始めたという現状だ。俺には迷惑極まりない。 「んー?いいぞー」 かと言って話しかけられるのは嫌じゃないし、最初の恥ずかしさを突破してしまえば緊張なんて微塵もないので答える。 「ありがとうー!」 俺の机の周りを、何人かの男子が取り囲む。 ついでに言うと初瑪は女子と男子両方にとりかこまれて、俺から見るとなんか凄い嫌そうな顔をしていた。まぁ、基本感情表に出さないタイプだから見えたって俺が勝手に思っているだけなのだが。自己紹介はさっき済んでるから、普通に話し出す。 「篠宮はさ、なんか好きなもんとかないの?」 「俺、さっきの自己紹介ってかよくわかんないヤツめっちゃ面白かったぞ!」 「篠宮が暇ならこの後みんなでどっか行かね?」 「篠宮休みの日とか何してるんだー?」 「一気に言われても聞き取れないわ!」 俺は某偉人じゃないんだよ! 冠位十二階や十七条の憲法つくった摂政じゃないならそんなに一気に言われても無理だわ! 1度に聞き取れる言葉にも限度あるんだよ! うぉい! 「悪い悪いっ!じゃ、俺から質問していいか?」 一番最初に俺を呼んだヤツが言うので俺はこくんと頷いた。 「篠宮お前何カップ?」 「……………………………………………………………は?」 「だから、篠宮お前バスト何カップ??」 「……………………………………………………………は?」 昔やっていたクイズ番組並に溜めてから言葉を発する俺。 は?何カップって何カップ? ええと、バストってあれだろ? うん。わかるよ…うん、わかる。で? 何で俺に聞くわけ? 「篠宮ー?おーい、篠宮ー?」 「…ちょっと待って。今、俺はどうしてこんな質問をされているのか、脳内討論会しようとしているから待って。考える度に大量の議題がぽんぽん浮かんでくるから待って……!!」 俺はどう考えても女の子ではないからおっぱいなんていうものは存在しない。というか、俺に存在してはいけない。あっても胸板くらいだ。 それくらい、この地球に住んでいる人間なら誰しもがわかるはずだ。 何故だ? 何故彼はそんな質問を俺にした? そこで1つの結論に俺はたどり着いた。 俺は自分の胸に手を当てた。 …………うん。ぽよんってしないね。しないわ。

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