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梅好き?《1》
初瑪キスされていたらお昼を作るのが遅れて、出来上がったカレーを食べる頃にはとっくにお昼の時間を過ぎていた。
なんなのアイツマジで?!どんな趣味ヤローだよ!キスがただの手段だァ?知るか!
お前今まで何人の女の子をメロメロにしてきたんだよ!どれだけ手玉にとっていろんなことしてきたんだよ!
今までお前が関係を持ってきた女の子に謝れ!
「りぃ、お皿持ったまま突っ立ってるな」
「誰のせいだと思ってるんだよ!」
「は?」
「…あぁ!もういい!このカレー運んで!俺は冷蔵庫からサラダ出してくるから!はい!」
「あ、あぁ…」
初瑪に持っていたカレー皿を渡し、クルッと向きを変えて、冷蔵庫からサラダを出し、ドレッシングと共にトレイに乗せ運ぶ。流石にサラダ2つとドレッシング2種類は同時に運べないからこうなる。てか、カレー昼に食べたら夕飯どうするんだよ。流石にカレーがもう1食分あるとしても夕飯もカレーはキツい。この余ったカレーは明日の夕方にまわそう。夕飯もお昼を食べてから考えよう。
今はお腹がすいてヤバイんだよ。
どっかの誰かさんのせいで使わなくていい体力使ったかんな。息するのだけにあんな体力使ったの初めてだよ!!!
「初瑪〜!早く食べよう!」
「りぃが来れば食べれるぞ」
「おっしゃ〜!すぐ行く!」
サラダが乗っているトレイを持ち、急いで椅子に座る。トレイからひとつのサラダを初瑪のカレーの隣に置き、ドレッシングをテーブルの真ん中に置く。
「よしっ!食べよ!あんま上手くねぇかもだけどな!…いただきます!!」
「いただきます」
スプーンを持って食べ始めた。
「ありがとうな、初瑪」
食べ終わり、洗い物をしてくれた初瑪にお礼を言う。洗い物も終わればもうする事がない。洗濯物を取り込むにもまだ少し早いので、ほんとにない。
「初瑪ー!!特にやることないからなんか自由にしてていいよ。俺は部屋で仕事してくるから」
「…昨日読んでた本だけ取りに行ってもいいか?」
「ん?取ってきてやるよ。あの部屋汚いからわざわざそれだけの為に入らせるのは悪い!」
「そう思うなら片付ければいいだろう。でも、ありがとう」
ちゃんとお礼がいちいち言えるところはいい奴なのに、何で性格がダメなのが1日いるだけでわかるんだろうな。
「で、何読んでたの?」
「夏目漱石の“こころ”」
「また、随分と古風なもの読んでんな」
「それが本棚にあるりぃもりぃだぞ」
「あれ、お母さんがくれたんだよ。なんかくれたというよりも、押し付けられたっつーか……なんつーの?学生時代に買った本が出てきたから、あげるって感じ。俺の部屋の本棚はちょくちょくそういう本あるんだよだから」
「そういう事か」
「そうそう。じゃ、取ってくるから待ってろよ」
小走りで部屋に向い、勢いよくドアを開けるとその振動で近くの机の上にあったものがパラパラと数枚落ちる。開けただけで物が落ちるこの部屋は、どんだけ汚いんだよ。
汚くしてんの俺だけどさ!!!
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