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駅前のケーキ奢りです《1》

「おはよー!」 最初の自己紹介さえクリアしてしまえば、教室に入るのも何のためらいもない、それが俺。 初瑪は何も言わずにさっさと席について1日の支度を整えている。 もちろん女子たちや、ほかの男子が挨拶すれば返してくれてるよ………一応。 朝の登校は今週は初瑪としている。 目的地が同じなんだし、わざわざ別々に行く必要はないし。 碧とは約束してるってわけじゃないけど、一応1週間だけ一緒に登下校とか出来ないかもとは伝えてある。したら「おっけぃ!」って返ってくるから、あぁ、碧だな…なんて思った。 「おっ!篠宮来た!おせーよ!」 「ほら、早く来い!」 挨拶をしたら挨拶を返される前に、何故か文句を言われた。 何で?! 「え?何、俺なんかしてたっけ?」 自分の席につきながら、そう俺を呼んだ男子たち(自己紹介の時に仲良くなったヤツら)に聞くと、「放課後行くだろ!な!」とだけ言われ、何が何だかわかんねぇ返事が返ってきた。 え、行くってどこにだよ? そんな言葉が顔に出てたのか「まさかあんだけ即答だったのに忘れてんのか」なんて笑われた。 「………………………あっ、ああああ!!」 思い出した…てか、初瑪に疲れすぎて忘れてた。そう、今日は金曜日。 あの時の約束だ。みんながお詫びとして俺に奢ってくれる約束だ。 そう、それは…… 「チーズケーキ!!!!」 「正解ーーー!」 早く放課後になってくれ!! すごく1日が長く感じだけどやっと放課後になった。初瑪にはお昼休みの時に伝えたら「夕飯は作っといてやるから行ってこい」とすんなり了承を得た。根は悪いヤツじゃないから、優しいんだよな。………きっと。 それと伝えた時に知ったのだが、碧も一緒に行くらしい。甘い物全般…食べ物という、美味しい食べ物が大好きな碧なら誘われれば迷いもなく行くだろうな。 「篠宮ーーー!行くぞ!」 急いで荷物をまとめ、返事をする。 「おうよ!」 碧も準備が出来たのか、先に彼らと合流して「李絃早く早くっ!」なんて手招きしている。 今日のメンツは行けない人とかいろんな関係で俺と碧…それと朝、俺を呼んで文句を言った2人と計4人だ。 もちろん全員男。唯一の問題点だ。 「ねぇ、あのさ。駅前のチーズケーキ奢ってくれるのはめちゃくちゃ嬉しいんだけどさ、あの店入れんの?」 「いや、篠宮に言ったあとあそこが女子空間になりつつあるって言うことを思い出して、急遽、相澤を誘いました!」 「うんうん、だから碧な…確かに」

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