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駅前のケーキ奢りです《3》
「あのっ!カフェに来たんですけど…えっと、篠宮で予約してあります!」
碧が店員さんに言った。年上のお姉さんによくモテる碧だからか、店員さんもすこし頬を染めている気がする。って………待って、え。
予約名、俺の名前なんだけど?
店員さんは何も疑わず、予約してあるか確認すると「4名様ですね!どうぞ、お席にご案内致します」といい、俺らをカフェの奥の角席に案内してくれた。俺と碧が壁側の席で向かいに座り、その隣に2人が向かいに座った。
「ご注文お決まりでしたらお知らせください」
「はいっ!ありがとうございます♪」
碧が受け答えると、店員さんはぱたぱたと戻っていった。
「いやぁ、ほんとに女子しかいないなぁ!」
「躊躇いもなく入る相澤かっこよかったぜ!」
「えへへ〜よくわかんないけどありがと♪」
そんな話をしている隙に俺はメニューをとり、気になっていたチーズケーキセットを見つけた。
「篠宮どれにすんの?奢ってやるよ、俺とコイツが!好きなの選べよー」
「これ!」
「おおっ!なんの迷いもない即答」
「ずっと食べたかったんだよ、これ!」
「じゃあ、それな。ちょっと待ってな、俺らもせっかく来たからなんか選ぶから」
「食べられるなら何時までも待つ!!」
予約名が俺だったのは気になるけど、そこまで追求するまでじゃないし、別にいい。
「おしっ、篠宮ー!そのボタン押して」
「OK!注文だな!」
数分後には頼んだ商品が来て、そのまた数分後には目の前からケーキ類がお腹の中へと消えていた。
「あ〜美味しかった〜!ヤバい、チーズケーキめっちゃヤバい!美味しいめっちゃ美味しかった!!」
「そんなかよ、喜んでんならかまわないけどよ」
「おうっ!ありがとな!2人とも」
2人は笑って頷いてくれた。
いい友をもったよ母さん………!!
食べながらこの後のことを話したりけど、あいにく1人が塾があるらしく、早めに帰らなければならないらしいから今日はケーキだけでお開きすることになった。
俺はケーキだけでバッチリ満足だ!
ここで軽く支度を済ませ、席を立つと、もうその女子空間になれたからか、入った時のように身を縮めて歩くのはなくなった。
「篠宮は先、外出てていいぞ。俺らも払ったら行くから!」
「ホントに奢ってもらっていいのか?」
「いいっていいって!奢るって言っても篠宮の分を2人で割り勘するんだし大してなってないから!」
「お前ら好きーーー!」
「ありがと!!じゃ、店の前で待ってて」
「李絃迷子になっちゃダメだよ?」
「こんな目の前で迷子にはならねぇわ!!」
言われた通り俺はレジの横を通り過ぎ、店から出る。入口をすぎたところで立って待ってよっかなって思っていると、スマホの呼び出し音がなったのでポケットから急いで取り出し、電話に出る。
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