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恋人事情 〜迷案編〜
腰が痛い。尻も痛いし、喉も痛い。あと足痛い。原因は言わずと知れたことだ。
腰が痛いのはのしかかられたから。尻が痛いのは擦られすぎ、喉が痛いのは嬌声の上げすぎ。足が痛いのは無理やり拡げられたから。どれも受け身だからこその苦悩である。
「う...あー」
連日の激しいコトのせいで声は掠れてしまっている。
ギシギシと不気味な音を立てる体を起こして床に足をつけばへなりと座り込んでしまった。更には後からモノが伝い出る始末。
仕方なしにティッシュを尻の所へ持って行って拭うと、甘い声が出た。
「ひゃあ...」
そして、名案を思いつく。いつも掻き出すのは朔がやるのだが、その思惑はよく知っている。...イキそうになるのを我慢しているおれを見るのが好きなのだ。
今回はさせない。連日激しくされた恨みここで返してやる、と床に四つん這いになり孔に手を当てる。精液全部掻き出して、ガッカリさせてやろうという魂胆だ。
ゆっくり指を入れて強めに引き抜く。
「んんぅっ」
思わず声が漏れた。先程まで朔のモノを咥えていた孔はまだ敏感で、少しの刺激にも弱いらしい。
早く終わらせようと指の動かす速度を上げる。とろとろの精液がどんどんこぼれ落ちる。
「は、ひゃっ...そ、こ...っ、」
早く終わらせたかっただけなのに気づけば口からは我慢しきれずに喘ぎが流れ出していた。
「ん、だめ...も、...だ、めっ」
掻き出す作業はいつの間にか前立腺を掠めたことにより自慰行為に変わっている。
そして最悪のタイミングで
「譲、風呂湧いー」
朔がトイレから戻ってきた。
現状を説明すると。ドアの方に尻を突き出し孔が丸見え、プラス指を入れて一人でシてる、みたいな状況である。
「......」
「............」
振り返った形で見つめあった直後。
「...まだ、足りなかったんだ?」
「?!」
朔に思いっきり勘違いされた。もう充分です、いらないです、今掻き出してるところなんでこれ以上精液入らないです。ってか枯れるやめて!体痛いんだけど!?
色んな言い訳が思いついたのに出た言葉は「...ばか」だった。
ばかはどっちだよとベッドに運ばれながら赤面した。
fin
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