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第28話 抱擁

 ノックの音がした。  知矢の鼓動が一段と速くなる。 「はい」  声が震えた。  ゆっくりとドアが開き、典夫が入ってきた。  その手には青いお守りが握られている。さっき知矢が渡したものだ。  ピンクと青のお守りにはかわいい文字で縁結びと刺繍されている。 「知矢……」  兄が傍に来て、知矢を強く抱きしめた。

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