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第37話 交わり

「……っ……あっ……お兄ちゃん……やっ……」 「……ここが、知矢のイイ場所なんだ……?」  典夫は知矢にやさしいキスを一つ落とし、そのとてつもない快感を生む場所を二本の指でぐりぐりと刺激し続ける。 「だめ……お兄ちゃん……あっ、ああ……」  体の内側から込み上げてくる気持ちよさに、萎えていた知矢のそれがぐんぐん勃起する。  兄が指を抜き、自分の昂ぶりを知矢の小さな穴へとあてがった。 「知矢……愛してるよ……」 「お兄ちゃん……、僕も……」  固くて大きい典夫の雄が狭い場所を広げて、ゆっくりと入って来る。  さすがに痛い。  生理的な涙がポロポロと零れる。兄が目元にキスをしてくれた。 「知、矢……大丈夫か……?」 「平、気……」  痛みも異物感もあったが、それよりも兄と一つになりたいという気持ちのほうが強くて……。  典夫はゆっくりと時間をかけて、昂ぶりを知矢の奥深くへと沈めて行った。    兄のそれが根元まで埋まる頃には二人とも汗だくだった。 「……辛いか? 知矢」  そう聞いてくる兄は、快感のためか綺麗な眉を少しひそめていて、その表情がとてもセクシーだった。 「おなかの中……お兄ちゃんでいっぱい……」  荒い呼吸を繰り返しながら、知矢はそう答えた。  少し苦しかったが、今、この瞬間、大好きな兄と一つに繋がっているという幸福感のほうが大きかった。  典夫はしばらくそのまま動かないで、知矢を強く抱きしめてくれていた。 「……ごめん、知矢……も、限界……」  やがて典夫はそう言うと、ゆるゆると動き出した。  刹那の痛み。  だが次の瞬間、兄の勃起が知矢のイイところを突いた。 「ひっ……あっ……」  知矢の体が大きくしなる。  気も狂わんばかりのすさまじい快感が全身を貫く。 「やだ……だめ……お兄ちゃん、そこ、だめ……ああっ……」 「知矢……」  甘く掠れる声で典夫が名前を呼び、より深く強く中を突き上げてくる。 「あ……ああっ……も、やめ……おかしくなっちゃう……お兄ちゃんっ」  気持ちよすぎて口を閉じることもできない。  唇の端を唾液が滴り、シーツを濡らしていく。  兄に揺さぶられて視界がガクガクと揺れる。  激しすぎる快感に溺れて、知矢はもうなにがなんだか分からなくなった。 「……知矢……!」  体の奥深くに兄の熱をたっぷりと注ぎ込まれるのと同時に、知矢もまたほとんど透明に近い愛液を放っていた。

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