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第39話 行為のあと②

 次に目覚めたとき、典夫はベッドに腰かけてやさしい瞳で知矢を見下ろしていた。  見れば、兄は服を身に着け、知矢もまたパジャマを着ている。 「……お兄ちゃん……?」  一瞬、知矢はあの幸せなひとときは夢だったのでは、と不安になった。  が、体の奥深くに残っている感覚と、兄がしっかりと繋いでくれている手がその不安を消してくれた。 「おはよ、知矢……って、夕方だけどな」 「お兄ちゃんがパジャマ着せてくれたの?」  そういえば、体もきれいに拭われてる……お、お兄ちゃんが後始末してくれた……?  体を繋ぐことまでしておきながら、今更だが、典夫が知矢の体に飛び散った愛液を拭ってくれ、体の奥深くに放たれたものをかきだしてくれたかと思うと、恥ずかしくてたまらない。 「もうすぐ母さんが帰ってくるから。さすがにまずいだろ? あのままじゃ」 「う、うん。そうだね。ありがと……」  今になって恥ずかしさが込み上げまくっている知矢は、多分真っ赤になっているだろう顔をシーツで隠すようにしながら応じた。

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