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第43話 禁断の関係の始まり
まだ両親は帰ってくる気配がない。
二人、くっついたままでいると、知矢がポツリと言った。
「ねー、お兄ちゃん」
「ん?」
「……怖い夢見たときとか、怖い動画見たときとか、またお兄ちゃんの隣で寝ていい?」
「いいよ」
典夫はそう答えたあと、こっそり思う。
……でも、そのときはオレ、きっと我慢できなくなっちゃうな。
知矢には声を我慢してもらわなきゃいけない。
それはそれですごい興奮しそうだけどな……。
典夫が内心でエロいことを考えているとは知らずに、知矢は愛くるしい顔に無邪気な笑みを浮かべた。
兄と弟。
二人の禁断の関係は、まだ始まったばかりだった。
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