62 / 79
第58話(獅子尾目線)
「コテージかと思って……」という佳純の言葉を受けて、俺はじっと佳純の顔を見た。
白い肌に、くりっとした瞳、ピンク色の唇……。
ダメだ、絶対コテージに一人なんてさせられない!!
他に男や女もいる。
佳純の魅力に気づいた奴が、近づいてきたらどうするんだ。
あまつさえ、襲われでもしたら……。
そんな奴は、俺が消し去るけどな。
「佳純はもう少し、自覚をした方がいい」
俺はアドバイスしたが、佳純はよく分かっていなさそうだった。
無自覚ってやつか……。
別荘の中に案内する。
管理人がしっかり掃除をしてくれているおかげで、綺麗な状態だ。
玄関を先に開けて、佳純を一番に通す。
「お邪魔します……わぁ、玄関も広いですね」
感動してる佳純の後ろから、小野、池村、高村と続々と別荘の中に入る。
「別荘一年ぶりー!」
「……お腹空いた」
「とりあえず、荷物を置きに行きましょうか」
おい、何で俺がお前らの為にドアを開けてるみたいになってるんだ……。
別荘に上がり、佳純の部屋に案内した。
「部屋もいっぱいあるんですね」
「まぁ、親父の仕事仲間とかが使ってたからな。佳純の部屋はここだ」
奥から二番目の部屋を開けた。
机と椅子、ソファ、テレビもあり、奥にはベッドもある。
「うわぁ……海が見える!」
部屋にはベランダもあり、そこからは海が一望できる。
この部屋を佳純に使わせたかったのは、この部屋が一番景色が良いからだ。
「こんな良い部屋、使ってもいいんですか?」
「……佳純に使って欲しかったんだ。ここが一番いい部屋だからな」
「あ、ありがとうございます……」
佳純は少しだけ顔を赤くした。
て、照れてるのか……?
「あのー廊下でイチャつくのやめてくださーい」
小野がじとーっとした目で見てくる。
「イチャついてなんかないよ……!」と佳純は慌てて否定する。
「佳純さん、部屋に荷物置いたら、海行こーよ!」
「うん。いいよ」
……海。
海ということは、泳ぐってことだから、み、水着になるってことだよな。
心の中で吃ってしまうぐらい動揺したが、何とかぐっと堪えた。
「変態がいるから早く部屋に入ったいいよ、佳純さん」
とりあえず、小野はあとでシメる。
ともだちにシェアしよう!