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第58話(獅子尾目線)

「コテージかと思って……」という佳純の言葉を受けて、俺はじっと佳純の顔を見た。 白い肌に、くりっとした瞳、ピンク色の唇……。 ダメだ、絶対コテージに一人なんてさせられない!! 他に男や女もいる。 佳純の魅力に気づいた奴が、近づいてきたらどうするんだ。 あまつさえ、襲われでもしたら……。 そんな奴は、俺が消し去るけどな。 「佳純はもう少し、自覚をした方がいい」 俺はアドバイスしたが、佳純はよく分かっていなさそうだった。 無自覚ってやつか……。 別荘の中に案内する。 管理人がしっかり掃除をしてくれているおかげで、綺麗な状態だ。 玄関を先に開けて、佳純を一番に通す。 「お邪魔します……わぁ、玄関も広いですね」 感動してる佳純の後ろから、小野、池村、高村と続々と別荘の中に入る。 「別荘一年ぶりー!」 「……お腹空いた」 「とりあえず、荷物を置きに行きましょうか」 おい、何で俺がお前らの為にドアを開けてるみたいになってるんだ……。 別荘に上がり、佳純の部屋に案内した。 「部屋もいっぱいあるんですね」 「まぁ、親父の仕事仲間とかが使ってたからな。佳純の部屋はここだ」 奥から二番目の部屋を開けた。 机と椅子、ソファ、テレビもあり、奥にはベッドもある。 「うわぁ……海が見える!」 部屋にはベランダもあり、そこからは海が一望できる。 この部屋を佳純に使わせたかったのは、この部屋が一番景色が良いからだ。 「こんな良い部屋、使ってもいいんですか?」 「……佳純に使って欲しかったんだ。ここが一番いい部屋だからな」 「あ、ありがとうございます……」 佳純は少しだけ顔を赤くした。 て、照れてるのか……? 「あのー廊下でイチャつくのやめてくださーい」 小野がじとーっとした目で見てくる。 「イチャついてなんかないよ……!」と佳純は慌てて否定する。 「佳純さん、部屋に荷物置いたら、海行こーよ!」 「うん。いいよ」 ……海。 海ということは、泳ぐってことだから、み、水着になるってことだよな。 心の中で吃ってしまうぐらい動揺したが、何とかぐっと堪えた。 「変態がいるから早く部屋に入ったいいよ、佳純さん」 とりあえず、小野はあとでシメる。

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