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施錠

もう傷つきたくなくて もう誰も愛したくなくて ひとりでいるのが一番楽だと 心に鍵をかけていたのに 高く強固な壁を築いていたのに 君は鍵なんてなかったかのように こともなげにひょいと壁を乗り越えて 僕の懐にするりと入り込んだ 不思議と嫌じゃなくて むしろ心地よくすらあって 馬鹿な僕はすっかりその温もりに身を委ねてしまった そして今 さらに頑丈な鎖と さらに高い壁で また一人ぼっちになった心をを守っている 今度こそ、鍵を開ける日はもう来ない

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