51 / 53
おもちゃの反逆
何度僕をどん底につき落とせば気が済むのだろう、この人は。
いいや、気が済むことなんかないんだな。
この人は、僕を悲しませて楽しんでるんだから。
愛してる、なんて白々しい嘘を、顔さえ見れば吐き出して、その言葉と引き換えに、僕の身体をいいように弄ぶ。
嘘だとわかっているのに、その時だけは、今回だけは、と信じたくなって、つい身も心も委ねてしまう。
そしてまた、ひとり。
使い捨てのおもちゃみたいに、使い終わればほったらかし。そしてまた、少し時間が経ったら、またこのおもちゃで遊ぼうって、気まぐれにここへ来るんだよね。
でももう僕、物分りのいい都合のいいおもちゃでいるの、やめにしたんだ。
手始めに、あんたには家族があることがわかったから、子どもが通ってる学校調べといたからね。
ともだちにシェアしよう!