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第4話
「あー、久々に貴哉のにおい」
「ちょ、汗臭いんだからクンクンするなっつーの…」
二人でベッドにごろごろしながらじゃれあっていると、不意に母さんがドアから顔を出して笑ってた。
「あら、相変わらず仲良しねぇ。お土産頂いたから、二人で食べる?」
「食う!」
大きな皿に盛られたさくらんぼ。
オレが大好きなさくらんぼ。
毎年こうしてお土産に買ってきてくれる。
「たかやー」
「はいはい」
あー、と口を開けて待っている宗真にさくらんぼを突っ込むと、すぐさま後頭部に手のひらが回される。と、そのまま口を塞がれてそこをこじ開けられたかと思えば、ぬる、と舌が侵入してくる。
プチ、と宗真がさくらんぼを押し潰すと、唾液と共に甘酸っぱい味が口に広がった。
「う、ん…ふぅ」
「あま…」
ぺろりとオレの唇を舐めてからゆっくり離れた宗真が、去年よりかっこ良く見えたなんて言ってやらないけど。
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