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episode4_11
精液が尿道から放出される快感に、李央は息を詰まらせながら腹筋を数回収縮させる。
それとほぼ同時に貴央も腰をビクつかせて、李央の体内に射精していた。
李央のペニスがヒクリと動き、最後の精液をとろりと出し切った。
李央は徐に自分の腹に手を置いて、汚れた肌を撫で、精液がべっとりついた掌を目の前に掲げる。指をすり合わせれば糸を引き、顔の上に垂れていく。
自分が射精した事実を確認するように暫く見つめていた。
「ああ、李央が締め付けるから僕もイっちゃったじゃないか」
腰を引いて体内からペニスを引き抜いた貴央は、深く息を吐いて髪を掻き上げた。
「今夜は最高だった。僕に突っ込まれてイってくれて嬉しかったよ」
優しく微笑む貴央は李央の額にキスをすると、バスルームへと消えていった。
扉が閉まる音を聞いた李央はのそりと躰を起こしシーツで顔と掌を拭うと、床に落ちたスーツを手繰り寄せ身に着けはじめる。
スラックスのファスナーを上げてベルトはせず、ワイシャツのボタンを一つだけ止め、ジャケットを羽織り、かなり着崩した格好で臣を振り返る。
「行こう」
「いいのか、黙っていなくなって」
「ヤれればもう用済みだから問題ない」
バスルームの方を指差す臣に冷めた顔で答える李央にそれ以上言葉をかけず、二人は部屋を後にした。
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