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episode5_5

「あ、あ、ああ・・・」 激しく射精ができないからなのか、緩やかな快楽に李央の口からは、だらしなく声が漏れている。 臣は腰を引いてペニスを抜くと李央の腕を取って引き起こし寝室へ向かった。 ふらつく李央を支えながらベッドのそばまで歩いてくると、拘束していた腕を解き、ベッドに押し倒す。 「臣は本当、甘いよね」 「何の事だ」 「あっ、あッ───」 ベッドに上がった臣は李央の腰を持ち上げて、赤く腫れたアナルにペニスを挿入した。 「貴央に会うのはもうやめろ」 ああ、気持ちいい。 臣のペニスがくれる快感にまた浸れる。 そう期待して灼けきった表情の李央だったが、すぐに降ってきた言葉に、その顔が途端に険しくなった。 「はっ、笑わせるなって」 「本気だ」 「臣にそんな権限はないよ」 臣が与える規則正しい律動に、二人は途切れ途切れの会話を続けた。 「あんな関係を続ける理由はなんだ?」 「だから、臣には関係ない」 眉間に皺を寄せる李央は臣の胸に手を押しやり引き剥がそうとしている。 「俺は死にたくない」 李央の言葉に臣はピタリと動きを止めた。 「貴央の性格知ってるだろ?何が何でも俺を見つけだして、簡単に殺されるよ。なんで俺から逃げるんだ、って言ってね。俺より兄さんの方が酷い事くらいわかってるでしょ?アイツは異常だよ。それにこんな気持ちいいこと、兄さんなんかに奪われるなんて無理。ありえない。やっと生き方を見つけたのに冗談じゃない」 臣の胸を腕で退かし抜け出すと、李央はベッドから立ち上がって寝室のドアノブに手を掛ける。 「臣のせいで萎えたからもういい。俺がシャワーから出てくるまでに帰ってろよな」 そう冷たく睨んで寝室を出て行く李央を臣は黙って見つめていた。

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