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episode5_6

三十分後、シャワーを浴び終えた李央はバスタオルを腰に巻いた姿で寝室へ歩いていく。 濡れた髪を伝って落ちる滴を鬱陶しそうに掻き上げながらドアを開けた。 「うっ、」 ぶわっと嗅覚を刺激する煙草の匂いに李央は鼻を摘まんだ。 「帰れって言ったのに。しかも煙草・・」 煙草が苦手な李央は眉間に深い皺を寄せながら大股で部屋を横切ると、締め切っているカーテンを勢いよく開けて窓を開けた。 一番安らげるお気に入りの空間を汚された気分だった。 「嫌いなくせに灰皿を用意してるのは何でだ」 「うるさいな」 あからさまに不機嫌な李央は臣が咥えている煙草を取り上げて灰皿に押し消す。 「なんで帰ってないんだよ」 ベッドに腰掛けた李央は髪を拭きながら文句を垂れた。 「お前の言うことはなんでも聞いてきたつもりだったけど、もう止めだ」 「は?」 目をつぶって髪を拭いていた李央が手を止めて顔を上げれば、目の前に臣が立っていた。 「いつまでもフラフラしているから、自分自身が定まらないんだろ」 「意味がわからない。説教ならいらないよ」 「俺の家にこい」 「なにそれ」 「セックスだって好きなだけ付き合ってやる。お前は一人でも生きていけるつもりだろうけど、本当はそうじゃないだろ」 見上げる李央の頬をそっと撫でる臣の眼差しは本物だった。 なにかを探るような、暫し見詰め合う時間が流れる。 「・・・っ、くっ、あはは!なにマジになってんの、くくっ、あーおかしい」 堪えきれず、吹き出すように笑い声を漏らした李央は腹を抱えて大笑いをした。 「前々から考えてたことだ」 「いいよ、そんなの。必要ないない」 まだ笑いが収まらない李央は時折吹き出しながら臣の申し出を断る。 「馬鹿だね、臣は。本当ばか」

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