6 / 46
episode1_6
「がはっ、ゲホッ」
口内からペニスが抜けると、李央は体を丸めて咳き込んだ。
臣は心配するでもなく、脱いだスウェットをはいて煙草に火をつける。
「ッ、臣」
呼吸が整うと李央はむくりと起き上がり口を拭った。その顔は物凄く不機嫌だ。
「気持ちよかっただろ」
「そうじゃない」
「お前、喉奥突っ込まれてイけたんだな」
「うるさい」
「お前が俺の好きにしていいって吹っかけてきたんだからな」
李央が望んでいた行為はわかっていた。
臣は李央が言い出した事をいいことに嫌がらせをした。
ベッドから降りた李央は喉を押さえながら臣を睨みつける。
「臣とはもうヤんない」
「そうか」
「ああ。臣なんか嫌いだ」
「俺もお前が嫌いだよ」
李央がリビングを出て行く際に臣も同じ事を呟き、溜息と一緒に煙を吐いた。
ともだちにシェアしよう!