14 / 46

episode2_7

全面ガラス張りの壁を背に配置してあるソファーに座り、水の入ったグラスを受け取る。 目の前のテーブルにはスクランブルエッグとベーコン、ジャムの塗られたパンが置いてあった。 「もしかして洸希さんが作ったの?」 「ああ」 「料理できたんだ」 水を飲んでから、フォークに掬ったスクランブルエッグをパクリと食べて不思議そうに問いかけ、もう一口と食べ進めた。 「単純で簡単な物に限るけどな。俺の所にくれば毎朝作ってやるぞ」 「はは、魅力的かもね」 「ふざけてないぞ。私は本気だ」 軽く受け流した李央の態度が気に食わないのか、ムキになった洸希は朝食を食べる李央の手を掴んだ。 「あーあ、勿体ない」 洸希に掴まれた衝撃でフォークに乗っていた朝食が床に落ちてしまった。 「お前はすぐ茶化して誤魔化すんだな」 「何度誘われても答えは同じなことくらい知ってるでしょ?」 深い溜息をついた洸希は李央の手を離し、ソファーの背もたれに頭を仰け反らせた。 「でも、洸希さんの事は好きだよ」 「随分安い好きだな」 「酷いなぁ。特にこれが大好き」 李央はフォークを皿に戻して、天井を眺める洸希の上に跨がり体重をかけて座り込んだ。 勃っていなくても主張している布越しのペニスに下半身を擦りつけて前後に腰を揺らす。 「付き合ったら飽きが来るし、だったらたまに会ってバカみたいに欲し合った方が絶対気持ちいいよ」 洸希は露わになっている李央の太股を撫でながら顔を戻す。 「・・・どうしても李央には甘くなってしまうな」 呆れたような、諦めたような表情の洸希は李央の腰を抱き寄せた。そのまま立ち上がり自分が座っていた所に李央を座らせ、背もたれに手をつき覆い被さった。 「社長、昨日さぼった仕事はいいんですか?」 「誘ったのは李央だろう」 近づいてきた熱っぽい唇にクスクスと笑って聞けば、今は茶化すなと李央は下唇を甘噛みされた。 「李央、言葉が欲しい」 「愛してる、洸希さん」 ───欲しがるならなんだって言ってあげる。言葉なんて安いもんだ。 もっとだ、と求める洸希の喜びそうな言葉を、李央は喘ぎの合間に繰り返し囁いた。

ともだちにシェアしよう!