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episode3_4
啄むだけのキスはすぐに深くなって、広夢は李央の胸元にしがみついて必死に応える。
唇がジンジンと腫れぼったくなるまで続くキスの快感は、喉を通り下へ下へと落ちていき下半身が疼きだす。
どうしてもじっとしていられない広夢が堪えるように膝をすり寄せていることに気がついた。
「あっ」
李央は太股の間に手を差し込み広夢の股間をやんわりと揉んだ。
びっくりした広夢は唇を離して背中を丸め、咄嗟に李央の手を掴む。
「そこじゃなくて、こっち」
李央は空いている方の手で広夢の手を掴むと、自分の股間へ導いてスラックスの上から扱くように促した。
「まだイったらダメだからね」
「ち、違っ、そうじゃなくてっ」
直接触るより強めに掌を押し付けて、盛り上がった形に指を食い込ませ扱けば広夢の腰が引けた。
強い刺激に手は疎かになり、李央の肩に額を押し付けて下を向く広夢は、下唇を噛んだり腹の奥から吐息を漏らし声を堪えている。
少し痛いくらいの刺激に終始腰がビクつき、布越しのペニスがぐっと硬くなるのを感じた李央は手を離した。
「ぁ、はあはあ・・ッ・・」
「映画見ないとね」
「え・・・」
「映画見に来たんだもんね」
李央は何事もなかったように涼しげな顔でスクリーンを見つめた。
その横顔を見る広夢は戸惑いの色を隠せず目を潤ませたが、姿勢を正して言われた通りにスクリーンに向き直った。
広夢は、李央の口角が上がった事には気がつかない。
残り時間、お互いに一言も言葉を交わさず映画は終了した。
外に出れば眩しさに目の奥が痛い。
「広夢、次はどうする?」
李央の少し後ろを歩いている広夢に振り向き優しく問いかけると、気まずそうな顔が上がった。
「黙ってないで決めていいよ」
「ッ・・・」
なかなか口を動かさない広夢に溜息をついた李央はぐっと迫り更に問いかける。
「ホテル行く?」
「ッ、そ、それは」
「ん?」
「お店的にまずいんじゃ・・・俺・・デートコースってお願いしたはず・・」
「ふぅん・・・わかった」
目を泳がせながら顔を赤くした広夢から聞けた答えに不満そうな李央は広夢の手を取り、強引に引っ張り歩き出した。
「ちょっ、リュウキさん?!」
広夢は足がもつれそうになったが踏ん張り、目の前の背中に問いかけるが返事はなかった。
土地勘のない李央は時折立ち止まり辺りを見回しまた歩き出しを繰り返し、ようやく路地裏に見つけた店の中へ入っていった。
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