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第9話 Tea for two ②

「教えてよ、使い方。」涼矢のそんな言葉は、煽っているつもりなのか。 「俺、来たばっかりだぞ。」和樹はそんなことを言いながらも、シャツのボタンをひとつふたつと外し始めた。 「じゃあ、やめとくか。」涼矢はそう言って指についたローションを拭き取った。 「涼矢くんたら意地悪。」和樹は涼矢の頬を軽くつまんだ。涼矢がその手を取って、指先をペロリと舐めた。その指先から電流が流れてくる気がする和樹だった。 「脱がせて。俺、和樹に脱がされるの好き。」涼矢の言葉に眩暈がするほどゾクッとして、操られるように涼矢の服を脱がせた。  涼矢のほうが和樹を押し倒す形で上になり、二人はベッドに横たわった。そして、涼矢は和樹にキスをした。舌先を絡めあう。それから耳にも口づけた。首筋にも、乳首にも。やがて涼矢は和樹の股間に顔をうずめた。  和樹の口から喘ぎ声が漏れてきた。涼矢は和樹にしてもらったことを真似るように、和樹のペニスを舐めたり吸ったりした。「涼、ちょっと、もう少し……ゆっくりして。」 「ん。」涼矢は言われた通り、スピードをゆるめた。和樹の呼吸が荒くなり、涼矢は、自分の口の中のものが次第に硬く、屹立してくるのを感じていた。和樹の手が涼矢の後頭部に伸びてきて、股間に押し付けるように軽く押してきた。 「すげ、気持ちいい。」和樹が言う。涼矢は不慣れながらも懸命に和樹のペニスを舐めた。見上げると、目が合った。和樹の頬が紅潮して、目も少し潤んでいる。「涼矢。……ちょっと…出ちゃうからストップ。」和樹は涼矢の顔を上げさせる。「涼矢の中でイカせて。」涼矢がうなずくと、和樹はローションを手に取り、自分の指と涼矢のお尻に使った。 「痛かったら言って。」と言ったが、昨日よりだいぶスムーズに指が入っていく。涼矢もそれはわかっているようだ。早い段階で、痛みよりも快感の色を帯びた声を上げ始めた。それでもまだ羞恥が先に立つようで、できるだけ喘ぎ声をあげまいと耐える様が、余計扇情的だった。

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