10 / 138
第10話 Tea for two ③
そんな風に我慢されたら、意地でも声出させたくなるよなぁ。和樹は涼矢の奥へと指を伸ばした。確か、男でも、女で言うGスポットみたいなのがあって……前立腺とか? そのあたりを刺激するとイイらしいってネットで……。つか、それどこだよ。和樹はそれらしきところを指で探った。
「んんっ」その時、涼矢の体が激しく反応した。
え、ここ? ……ここなのかな。和樹は指を強めに圧しあて、こすった。
「やっ……あっ……あんっ」今までとは明らかに違う反応。和樹の指を包み込む肉壁もキュッと締まる。
「涼、ここがいいの?」
「んっ」返事とも喘ぎともつかない声。
「気持ちいい?」和樹の問いかけに、涼矢は直接答えないが、とろんとした目や、上気した肌や、もう我慢の利かなくなった喘ぎ声が答えだった。和樹はしばらくの間、そこを中心に涼矢を攻めた。涼矢の体が汗ばむ頃には、和樹も我慢が利かなくなっていた。
「挿れるよ。」
「うん。」今度ははっきり伝わる返事。和樹は涼矢の腰を抱いて、バックの姿勢を取った。さっきの、「涼矢のいいところ」を意識しながら、ゆっくりと挿入していく。
「あっ……和樹ぃ……」名前を呼ばれるだけでイッてしまいそうだ。まだだめだ。もっと奥。全部挿れて。涼矢のそこにあたるようにこすりあげて。何度も。
「涼矢、すげぇ、気持ちいいよ……」
「うんっ……来て…あっ……あんっ、和樹、やぁ……あん」
信じられるかよ。あのクールで無愛想な涼矢が、俺に突かれてよがってる。泣きそうな喘ぎ声出して、ケツで感じてる。俺の名前を愛しそうに呼びながら。……って、俺ももう、気持ち良すぎて、限界だけど……。俺は涼矢のチンコを探して握る。しっかり勃ってるのを確認。「涼、一緒に行こ。」
「うん。」小さくうなずく涼矢が可愛すぎる。俺より背が高い。チンコもたぶん俺よりちょっとデカイ。でも可愛い。涼矢は自分の手で前を触りだしたから、俺は自分のことに専念して、涼矢の腰をしっかり抱いて、動きを速めた。「俺、出そう。」
「うん、行こ。」
和樹たちは、無事にほぼ同時に、果てた。
「大丈夫?」
「ん。」涼矢は隣に横たわった和樹の耳元で「和樹。」と囁き、耳たぶを軽く甘噛みした。「好き。」
和樹は涼矢の長い腕に触れた。自分よりも色白ではあるが、筋張っていて、はっきりと男の腕だ。耳元で自分の名前を呼び、愛の言葉を囁く声も男の声だ。囁きと一緒に熱い息が耳にかかる。その息がうなじ近くに移動したかと思うと、舌先で舐められて、「ひゃ」という妙な声を出してしまった。その瞬間、涼矢に強い力で抱きしめられた。「可愛い、和樹。」
「なっ」ベッドでそんなことを言われるのは初めてだ。可愛いのはおまえだろう、と和樹は思う。何か言い返そうとする和樹の口を、涼矢がキスでふさいだ。
その涼矢の片手が再び和樹の股間に伸びた。「涼矢、積極的だな。早速二回戦か。」
「うん。」と言いながら、涼矢は上半身を起こして、和樹の脚を開かせた。
「ちょっと、涼矢、何。」
「うん。」涼矢はいつの間にかさっきのローションを手にしていた。ボトルを傾ける。その先は和樹の中心部だ。
「涼矢? あの……何。うわ。」和樹はローションの感触に驚いて、反射的に涼矢の腕をつかむ。「何すんだよ。」
「うん。」涼矢は相変わらずそれしか言わず、和樹を見下ろすようにして、ローションを注ぎ続けた。それを止めると、今度は指を入れる。
「ちょっと。やめろよ、涼矢。」
「痛い?」
「痛くないけど……。」そう言うと、容赦なく、もっと中へと指が入ってきた。「やめ……ろって。なんで俺が。」和樹は経験したことのない感覚に必死で抵抗した。「涼矢、ホントに、無理だから。」ついに、和樹の胸を本気で拳で叩いた。「やめろって。」
「なんで?」涼矢の視線が暗く、鋭くなった。今まで見たことのない目だ。「怖いの?」
ともだちにシェアしよう!