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第34話 愛しのきみ ③

 そうこうしているうちにピザが届き、和樹と涼矢はとりとめのない雑談をしながら、それを食べた。海外ドラマも無事に見終えた。 「え、ここでコイツ死んじゃうの?」ドラマのラストシーンに、涼矢は不満そうだ。 「そう思うだろ、でも、この次のシリーズでは……。」 「言うなよ。まだ見てないんだから。」 「悪い。それにしても、よく食ったな。」 「多すぎたかな。」涼矢は残った数切れのピザを別皿に移し、ラップをかける。 「Lサイズ二枚は明らかに多いだろ。あ、涼矢はほぼ完食してるのか。」 「うん。余裕。ポテトなかったら全部行けた。」 「ポテトっつか、チキンも入ってるし。何人前だよ、これ。」 「パーティーセットって書いてあった。」 「二人でパーティーかよ。」和樹は笑う。  涼矢はTシャツをめくり、自分の腹を撫でた。「うわ、俺、すげえ腹出てる。」言うほどには出ていないが、確かにいつもはすっきりと凹んでいる下腹が多少膨れている。 「あれだけ食えばな。あ、おまえ、胃下垂? 下腹が出てる。だから太らないのかな。」言いながら、和樹も涼矢の下腹を撫でた。  その手をつかみ、手の甲にキスをする涼矢。「腹ごなしの運動をしなくちゃいけないね?」 「ちょっと休ませてよ。食い過ぎで苦しいんだよ。つうか、今日本当に積極的だな。発情期か。」 「そうかもね。」涼矢は和樹の首筋に口づけて吸った。「和樹は何もしなくていいよ。ただ横になっててくれれば。」言いながら、和樹を押し倒す。 「ソファ、汚れるって。」 「ん。」涼矢は近くにあったバスタオルをたぐりよせた。和樹が風呂上りに放置していたものだ。それをシーツ代わりにソファに広げた。少々湿ってはいるが、とりあえずこれからする行為には差支えないだろう。涼矢は和樹の下半身に顔をうずめた。 「…はっ。」和樹が切なげに息を吐く。涼矢は和樹のペニスを、先端から丁寧に舐めていた。口の中に咥えこむことなく、舌を使い、細かく、亀頭から裏筋から付け根まで。いつになく時間をかけて舌で愛撫する。「なんか、ねちっこいぞ、おまえ。」 「ん。」涼矢はくぐもった声でそれだけ答えた。 「あー、もう。」じれったそうに和樹が呻く。和樹のそれは既に完勃ち状態だ。

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