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第261話
もしかして・・・
体を起こして、目で確認する。やっぱり。
「陽向。ほら」
征治は手を伸ばし、スウェットの上から陽向の局部にそっと触れた。間違いない。
陽向のものが少し芯を持ち始めている。
「え・・・うそ・・・」
自分も上半身を起こした陽向が目を大きく見開いている。
スウェットのハーフパンツの上からそっと撫でると、「あっ」と小さな声を上げ、体をビクリと震わせた。
「ちゃんと感じるんだね?」
頷く陽向の表情は、喜んでいるというよりは戸惑っているようだ。
「ねえ、触ってもいい?」
その一言で、ナイトスタンドの明かりの中でも、陽向が首まで真っ赤になったのが分かった。
慎重にいかなければ。
二十歳の頃から一度も勃ったことがないということは、ほぼ8年ぶりということだ。そして陽向が機能を失ったのは薬物以上に精神的な要因の影響が大きい可能性もある。
「大丈夫、怖いことはしないよ。可愛い恋人のものに触れたいだけ」
安心させるように、こめかみにキスを落とす。
陽向が恥ずかしそうに頷いたのを見て、スウェットとボクサーブリーフを脱がせた。
陽向のものはまだ緩く半分ぐらい勃ちあがった状態だが、反応しているのは明らかだ。
寄り添うように横になり、甘くキスをする。陽向がそれに応え始めた頃を見計らって、陽向のものをそっと手で包んだ。陽向の体と手の中の物が同時にぴくんと反応する。
優しく握ってゆっくりと撫でるように手を滑らせると、「あっ」と陽向が困ったような顔をする。
「ちゃんと、感覚があるんだね?」
眉を寄せたまま、コクコクと頷く陽向。
続けているとまだ柔らかさが残った小動物のようだったそれは少しずつ硬さと熱さを持ち始めた。
キスに集中できなくなったのか、陽向が首を振る。
「う・・・んんっ・・・」
陽向はちゃんと感じているようだ。その証拠に手の中のものはさらに硬さを増し、反り立ってきた。このまま達 ければ、きっと安心して自信も取り戻すに違いない。
そう思った矢先に、急に陽向が手足をバタつかせて暴れ始めた。
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