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興味は中毒者に喰われる

重たい金属音の中に聞こえる革が軋む音。 「っ、ああ───」 シーツに大きな波を作りながら李央はのたうっていた・・・。 今日は嗜好を変えてみないか? そう電話を寄こしたのは洸希だった。洸希からの誘いを断る理由がない李央は即答で答え、洸希の住むマンションに出向いた。 「洸希さん」 「早かったな」 玄関で李央を出迎えた洸希は、抱き締め首筋にキスをした。 部屋の中へ入り、リビングのソファーに隣同士で座って、出されたアルコールに口をつけた。 「シャワーは浴びてきたのか?」 「勿論、洸希さんがヤろうっていったんじゃん」 早く抱いて欲しくて堪らない李央は、残りのアルコールを一気に流し込んだ。 「で、何するの?」 ソファーに片足を乗せ、ちまちまとアルコールに口をつけている洸希の方を向いて背もたれに肘を付く李央は、少しも待てない様子だ。 「そう急かすな」 グラスにアルコールを足した洸希はグラスを持ったまま立ち上がると李央の手を引いて寝室へ向かった。 綺麗にベッドメイクされているその上には、見慣れないモノが置いてあった。 「洸希さんってこういう趣味あったんだ」 李央が手を伸ばし持ち上げると、ジャラリと鎖の音がした。 一本の鎖の両端に黒の革製の手枷がついている拘束具と、同じ素材でできているベルトのような目隠しだ。 「趣味というより、興味があった」 ヘッドボードにグラスを置いた洸希は李央を後ろから抱き締め、手に持つ拘束具を奪い返す。 「つけてくれるな?」 「もちろん」 首だけ振り向く李央にキスをして、スーツのジャケットを脱がしていく。 ワイシャツの袖で隠れた手首を出して、そこへ嵌めていく。 「キツくないか?」 「全然。もっとキツくてもいいよ」 「はは、煽るな。次はこれだ」 自分に嵌まった手枷を見てニヤつく李央の目の前に、ピンと張った細めの長い黒革が現れた。 「目を隠すぞ」 洸希は李央の眼にそっとあてがい、頭の後ろでベルトを締めた。 何も見えなくなった李央を自分の方へ向かせ、その姿をよく見る。 ワイシャツ、スラックス姿に両手首に手枷と目隠し。 想像以上の厭らしさに、洸希は満足そうだ。 「似合うな」 「そう?」 「あともう一つ残ってるんだがいいか?」 「なに?」 李央の腰をグッと引き寄せ耳元に唇を寄せる。 「お前の理性がなくなるところが見たい」 手に持っていた飴のようなナニかを自分の口に放り込むと、そのまま李央に口づけた。 甘いソレを舌に乗せ、李央の口内へ移すとすぐに唇を離した。  「噛んで飲み込め」 言われたとおりに奥歯で噛み砕けば、中からとろりとした液体が出てきた。 「薬を使うなんて洸希さんらしくない」 「言っただろ、興味があったと」 らしくないと言いながらも、楽しそうに鼻で笑う李央をベッドに押し倒す。ヘッドボード近くまで這い上がらせると、両手首に繋がっている鎖を手に取り、ヘッドボードから不自然に飛び出た突起に掛けた。 両手を拘束された姿は、服を着たままだというのにとても煽情的だ。 李央が手を引き寄せようとすれば、鎖がピンと張り、それはかなわない。自分がどんな状態になっているのか理解し想像した李央の口角が更に上がった。 「やばいね、これ」 「ああ、想像以上だ」 目隠しのせいで目は合っていないが、明らかに洸希を誘う李央の唇に洸希がキスをし舌を滑り込ませた。視界を奪われているからか、前触れなく訪れた快感に李央の体が一瞬間ビクついた。 洸希の舌が李央の上顎を刺激すると、鼻に通った甲高い喘ぎが漏れた。 「感じるか?」 頷きながら、荒く熱い吐息を漏らす李央。 キスごときでここまで感じた様子を見せたのは初めてだった。 李央の上から退いた洸希は横に座り直し、ワイシャツの裾から手を差し込んだ。 「あ、あ・・・ああ・・」 服の中を指が這うと、李央は鎖を鳴らしながら身を捩った。 腹、脇腹、胸を撫で回され、ビクビクと腹筋を浮き上がらせている。 「反応がいいな」 「あ、あつい・・」 譫言のように呟きながら焦れったい快感に翻弄されている。 満足げな洸希は、李央のワイシャツのボタンを外すと、直接触ってもいないのにピンと勃った乳首に吸い付き愛撫をはじめた。 「アアッ!うっ、ッ、あぁ・・」 突然襲ってきた鋭利すぎる快感に頭を仰け反らせ、胸を突き出した。 「はああっ、だめだ・・」 小さく呟いた李央が下唇を噛むと、下半身がビクビクと痙攣した。まさかこんなに早くイってしまうとは思ってなかった洸希は驚いた顔をしたが、すぐ満足げにニヤついた。 「薬が効きすぎたか?」 「洸希さん・・早く」 出したのに、さっき以上の快楽が欲しくて欲しく堪らない。イけばイクほど欲しくなるのか、李央のペニスは硬くスラックスの前を押し上げたまま。 李央の強請るままスラックスと下着を脱がせてやれば、精液で濡れたペニスが厭らしく天を向いている。 「沢山出たな」 「アアッ!」 片方の太股を押しやり、ヒクつくアナルを確認した洸希が逆手に二本揃えた指をそこへ挿入した。李央の出した精液で濡れていたアナルは簡単に指を受け入れ、締め付けた。 背筋を這い上がってきた快感に、李央の甘ったるい声が部屋に響く。 「いつもより中が熱いな。媚薬はこんな所まで効くのか」 「アッ、ンッ」 いつもと違う体内(なか)を確かめるように、手の向きを何度も変えて刺激した。ジャラジャラと鎖を鳴らして快感に耐える李央の口が苦しそうに息をしている。 「はあっはあっ、ああまた、イ、くッ」 洸希の指を締め付け李央の息が止まると、ペニスの先から精液が飛び出て李央の腹を汚した。 出し切る間に何度か腹筋を収縮させた後、ぐったりと体から力が抜けた。 「そんなに媚薬がいいのか?」 休んでる暇などないぞ、と洸希は体内に挿っている指に力を入れ、腹側の李央が一番感じる所を引っ掻いた。 「ああっ洸希さんッ」 蘇った体はまたビクビクと痙攣し、打ち寄せる快感の波にのまれそうになる。 「は、早くっ、欲しいッ」 腰が前後に揺れるのもお構いなしに強請るが、洸希は一向に指を抜こうとはしない。それどころか指の動きを早め、乳首に噛みつく。 暫く続けていると、李央の首筋が浮き上がり空気を求めるように口が開くと、体全体が痙攣した。 「どうだ?後ろだけでイくのは」 カウパーでペニスは濡れていたが、射精はしてない。射精を伴う時より長く続く快感に戸惑う李央は泣き声に似た喘ぎを漏らしている。 洸希は部屋着と下着を膝までおろし、李央の足の間に入り込むと、張ったペニスをゆっくりと挿れていった。 「ぅ、ああッ」 まだイっている最中だったのか、李央はのたうちシーツに波を作っていく。 「最高だが、顔を見られないのが難点だな」 「はぁッ、やばいッ」 体の中心、反り返るペニスが熱くて堪らない。思い切り扱いて出したい。繋がれた手を何度も引っ張るが届くわけもない。 快感で思考が繋がらないのか、うまく喋れない李央はただただ啼いている。 ぶるぶると震え出す李央の異変に洸希は気が付くが何も聞いてやらず、体内を抉るように激しく腰を打ち付けた。 「ああっ、ま、また、ク、る───」 李央の息が止まり背中が丸まると、投げ出された足が痙攣した。 媚薬の効果なのか、いつもより熱い体内にぎゅっと絡みつかれ、洸希の眉間に皺が寄ったがどうにか堪え、余裕そうに笑った。 「次は射精させてやる」 精液が溜まった睾丸をやんわり揉んでから、ペニスを掴むと容赦なく扱きだした。 直接的な刺激に、李央は唇をキツく噛んでる。 「ッ!!」 洸希は下っ腹を突き出すように打ち付け、腰の動きに合わせて扱く手も速めた。鈴口から溢れてくるカウパーがぐじゅぐじゅと音を立てて聴覚も犯してくる。 「はぁっ、李央、李央」 洸希もそろそろ限界なのか、辛そうな表情で息を切らしはじめた。 「っ、一番奥に出してやる」 スパートをかけるように激しく腰を振ると、押し殺した声の後、もっと奥へ挿入するように下半身を押し付けた。 数回に分けて射精する快感に情けない声を漏らして李央の体内を汚した。 「あ、すごっ・・・ンンッ!」 腹の奥に熱を感じた李央は、汚された快感で射精していた。 「中出しされてイくのか」 だらしなく開いた口にキスをして、貪り合う。暫くして洸希はペニスを抜こうと腰を引くが、それは李央に阻まれ、起こした体はまた李央に覆い被さった。 「まだ足んないよ」 洸希の腰に足を絡め、まだ勃起したままのペニスを下半身に押し付けた。 「はは、お前の理性を飛ばすのはそう簡単じゃないか」 李央の体のあちこちを啄みながら退くと、四つん這いになるのようにいい、洸希の精液で濡れたアナルにペニスを挿入して、交尾するように腰を振った。  馬鹿みたいに腰を振る洸希に何度も名前を呼ばれ、痛いくらいの快楽を与えられる李央は、楽しそうに口元が上がっていた。 [end]

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