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ツーライ
お題:「告げ口」
ダンッ!!!
鈍い音が、ざわついていた辺りをシンと静まり返した。
鉄の塊に人間がぶつかる音はなんとも生々しく痛々しい。
「お前、俺を裏切ったな?」
「がっ…、はは」
黒塗りの高級車のボンネットにうつ伏せで叩きつけた頭を、力任せに掴んだ髪と共に引き上げて顔を覗けば、碧羽(あおば)は軽く笑いニヤついた。
「随分余裕そうじゃねぇか」
「ッ!?あ゙、あ゙あ゙ッ!!」
動きを封じるために腰に回していた片方の腕を肩甲骨まで引き上げれば、碧羽は胸をそらして啼いた。
ハクハクと開くその口の端は、殴られた拍子に傷つき血が滲み、痛みで潤む瞳は熱を帯びている。
「…ちっ。お前らは下がれ」
舌打ちをして、咥えていた煙草を吐き捨てたダークスーツを着た仁(じん)は捻り上げた腕を更に捻り、碧羽を啼かせながら肩を脱臼させた。
仁の後ろに控えていた数人の舎弟達は次々に頭を下げてガレージを出て行った。
「はは、わざわざ組長さんが手を汚す必要なんかないのに」
「お前も大概、いい趣味がやめられねぇみてぇだな」
仁は碧羽の腕を解放すると煙草に火を付けふかした。
「下への見せつけってのもあるんだろうけど、この腕どうしてくれるの。マジ痛い」
起き上がった碧羽は外れた肩をそっと撫でながらボンネットに座った。
「どの口が言ってんだ?痛いのが好きなのはどこのどいつだ。殴られて肩外されて勃起させてんのは誰だ?」
「んっ、はは…バレてた?」
仁は碧羽に近づき脚の間に立つと、スラックスの中で窮屈そうにしている股間を揉みしだいだ。
「他の組にわざとらしく告げ口なんかして俺を挑発して面白いか?普通だったらお前はとうに殺されてる」
言い飽きたとでもいいたそうに、仁は無抵抗の碧羽のワイシャツに手を掛けボタンを外した。
「前のがまだ膿んでんじゃねぇか。そんなに我慢できなかったか?このドM」
仁は吸っていた煙草を指先で摘まむと、碧羽の胸に押しつけた。
熱さと痛みに碧羽は声も出せずに体を震わせた。
碧羽の肌には何ヶ所も煙草を押しつけられた痕がある。赤黒くなっているものからまだ赤みを帯びているもの。
碧羽の胸から煙りが立ち、皮膚の焼ける匂いが鼻につく。
「煙草押しつけられてイったのか」
碧羽は脱臼していない方の手を伸ばし、馬鹿にするように鼻で笑った仁の胸ぐらを掴んで引き寄せた。
「はあっはあっ、そういうアンタも勃ってるくせに。早くソレ寄こせ」
碧羽が腰を揺らして誘えば、仁は碧羽のスラックスを乱暴に剥ぎ取り脚を大きく開かせた。
「お前のせいでボンネットがヘコんだからな。その分もしっかり払っていけよ」
仁がスラックスの前を寛げれば窮屈な所から解放されたそれは力強く反っていた。
碧羽の出した白濁で濡れている後孔へ挿入すれば、快感に二人の息が漏れる。
「利子つけて払ってやる」
下半身がぴったり密着すると、苦し紛れにそうニヤつく碧羽に仁は深く口づけた。
【end】
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